「ココアオーレな世界」というタイトルは、ずいぶん前につけたものです。記事は、記事を書いてから、タイトルをつける場合と、タイトルをつけてから、記事を書く場合があります。筆者が、後者を選択する場合は、書きたいことが頭の中にあって、そのままだと忘れそうなので、とりあえず、忘備録にタイトルをつけておくことが多いです。
ココアオーレな世界というのは、COCOAのような失敗(ココアオーレ)が繰り返される体質があるということを書こうと思ってつけたタイトルです。
COCOAの失敗のことは、ある意味では、忘れかかっているのですが、それは、良くないのではないかと思ったわけです。
同じ失敗が繰り返される問題は、その後のタイトル「共通の問題を整理する」にも反映されていますので、同じ主題の変奏曲かと言われれば、その通りなのですが、抽象的な内容は、どのように具体に結びつけて、理解してもらうかも課題なので、COCOAを例に、説明した方がわかりやすいのではないかと考えたわけです。
2021/08/04の福井新聞には、次のように書かれています。
県の感染拡大防止対策チームによると、アプリ通知によって検査に至ったのは敦賀市のケースのほかは数件だけ。陽性判明に至った事例は「県が把握している範囲ではゼロ」という。患者と接触した人の場合、アプリ通知の前に本人から連絡が入って濃厚接触者と分かり、検査を希望するパターンが大半らしい。
県内の累計感染者は7月27日で1500人を突破した。窪田裕行・県健康福祉部長は同日の会見で「当初は国の要請もあり、県民にココアをお勧めしてきた」「(陽性判明者に)情報登録を求める作業はしている」とする一方、普及率の低さを踏まえ、ダウンロードや情報登録を「決してしなくていい、と言うつもりはないが、検査に結び付くケースはほとんどない」と消極的な言い回しで説明。感染ルートを追跡していくための有効な手段になっていないのが現状だ。「国が新たなシステムを考え、それが本当に役に立つものであれば(県民に)お勧めしていく」とも述べた。
つまり、COCOAは、失敗だったのですが、失敗が訂正されずに依然として生き残っています。これでは、COCOAの失敗から、何を学習したのかわかりません。
2021/06/10のニューズウィークで、加谷 珪一氏も同じような指摘をしています。
この記事は書き出して、3週間くらいねかしています。
3週間たって、冷静になって、考えると、DXの失敗の原因は、専門性を無視しているためではないかと思っています。
DXだけでなく、データサイエンスや、科学の因果律でも、専門的なトレーニングを受けて、エビデンスに基づいて、考える習慣が身につかないとスタートにつけません。日本の大学は、出席さえすれば、単位が取れることが多いですが、他の国の大学は、内容を習得しないと単位がとれません。
日本のように、新卒採用をすべて、OJTで、ジェネラリストに養成するというのは、人材育成をしていないのと同じだと思います。
DXについて、最低限のプログラミングができることは、エクセルでいえば、マクロを書くことに相当しますが、エクセルの利用者で、マクロをかける人の割合は5%以下と言われています。つまり、OJTで、エクセルを使って、DX教育をしても、目標水準に到達する人の割合は5%で、95%は落ちこぼれます。これは、人材育成ブログラムが破綻していることを意味します。
DXを導入するには、DXのできる人を採用すること、DXのできない人は、OJTではなく、大学などで、集中して再教育を受けさせることが必要です。
実際に
2021/08/21
で書いたように、ドイツでは、労働組合が再教育を要請しています。
IT化、データサイエンスの進歩により、OJTでは、教える側の先輩が既に落ちこぼれです。
OJTによるジェネラリスト養成は、破綻しています。これが、「ココアオーレな世界」が出現する理由と思われます。
https://news.yahoo.co.jp/articles/56c5f69106fe44b3b7cea1f098f250b5f061db0d
https://www.newsweekjapan.jp/kaya/2021/06/dx.php
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