トーンイコライザーのフィルターの効果

トーンイコライザーは、クイックアクセスパネルには、含まれていませんが、フィルミック

RGBと並んで、シーン参照ワークフローの中心をなすモジュールです。露光をゾーンごとに調整するので、アンセル・アダムスのゾーンシステムの発想をもっとも忠実に再現したモジュールです。

トーンイコライザーモジュールが出来て、古いゾーンモジュールは廃止されました。

ゾーンシステムを、ソフトウェアで実現する上では、各ゾーンの継ぎ目ができないようにする必要があります。アナログのフィルム時代であれば、継ぎ目が目立つ心配はなかったのですが、デジタルで処理すると、境界の部分で、継ぎ目が目立ってしまいます。この対策としては、ゾーンを切りとるマスクが漸近的に変化して、継ぎ目が目立たないように、対策がなされています。ただし、このマスクの設定には、自由度がありますので、トーンイコライザーはmaskingタブのサブメニューで、マスクのパラメータを調整できるようになっています。

今回は、雲場池の木を題材に効果を比較します。なお、画面が分割されている場合は、左が未処理、右が処理済みになります。

 

写真1は、edge refinement/featheringのスライダーを右に振っています。木の枝の細部がボケてしまっています。今回は、これは使わない方が良さそうです。

 

写真2は、smoothing diameterのスライダーを右に振っています。木の枝の細部が黒くなってボケてしまっています。今回は、これも使わない方が良さそうです。

写真3は、filter diffusionのスライダーを右に振っています。このスラーダーは整数の値だけをとります。木の枝の細部がボケてしまっています。

以上まとめると、今回の画像については、マスクを変更しても、画像の改善は見られません。

次に、以上の場合には、preserve detailsが、egifになっています。

写真4に、見るように、このパラメータの設定を変更することができます。

そこで、このパラメータを変えてみます。

写真5は、averaged guided filterです。赤い四角のところを見ると、木の枝がボケています。

写真6は、guided filterです。赤い四角のところを見ると、すこし、木の枝がボケているようにも見えますが、実質の差はほとんどありません。

写真7は、averaged egifです。赤い四角のところを見ると、木の枝がボケています。

preserve detailsを変更してみましたが、改善はできませんでした。

まとめると、今回のサンプル画像では、マスクのパラメータを変えても、画像の改善は、見られませんでした。つまり、画像に各段の不満がなければ、デフォルトで良いと思われます。

 

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写真1

 

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写真2

 

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写真3

 

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写真4

 

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写真5

 

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写真6

 

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写真7

 

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