逆光の室内撮影とフィルミックRGB(2)

室内の逆光写真について、もう少し、検討してみます。

前回、述べるつもりで忘れた、ノイズのことを中心に書きます。

写真1は、旧青木家那須別邸の室内です。ここでは、RAWの白飛びと黒飛びの表示をしていますが、黒飛びはなく、窓と電球のところに白飛びがあります。

写真2は、Jpegの白飛びと黒飛びを表示しています。白飛びはRAWと同じ傾向で、黒飛びはピアノの一部です。

写真3は、Jpegの白飛びと黒飛びの条件設定を確認しています。darktableの古いバージョンでは、白飛びも黒飛びもパーセント設定でしたが、3.6では、黒飛びは、EVで、白飛びはパーセントで設定できます。

写真4は、黒飛びの設定の説明で、右クリックでコメントが表示されますが、プリセットではなく、数字を直接入れるか、スライダーで数字を合わせる必要があります。

写真5は、写真3のヒストグラムの左右が切れていたので、写真3のヒストグラムを対数軸に変更したものです。明るい部分のデータが少ないことがわかります。

写真6は、ヒストグラムを、周波数表示に変更しています。この表示の見方を説明するために、周波数表示を画面の下に張り付けて、周波数表示と画面の対応する部分を赤い線でつないでいます。

写真7は、サンプル画像を、再度そのままで表示しています。

写真8は、ヒストグラムの右が切れないように、露光を落としています。目の反応は、明るい部分に強く出るので、ヒストグラムの右を切らないという方針もあり得ますが、この画像では、その方針は適していないと思われます。

写真9は、ヒストグラムの左が切れないように露光をあげています。写真8よりは、写真9の方が、良い画像に見えます。

写真10は、写真9の一部を拡大したものです。ノイズがかなりのっています。この時の画像のISOは200で、決して高いISOではありません。

写真11では、右の部分に、ノイズ除去(プロファイル)をかけています。ノイズが減っています。

写真12は、写真9を、フィルミックRGBで、ダイナミックレンジを調整して、ヒストグラムが、左右で切れないように調整しています。左の元画像と右の編集後の画像を比べると、ピアノの黒い部分がよく消えますが、色が白く、また、ノイズがさらにのっています。画像の色が白く見える点は、ある程度修正できますが、ノイズは、写真10よりさらに増えていますので、難しいです。

まとめると、露光を上げて、フィルミックRGBで、ダイナミックレンジを広げる場合には、画像が白くなる点と、ノイズ対策が課題になります。特に、後者は解決が難しいです。

今回の写真は、筆者のデフォルトの露光設定である-0.7EVで撮影しています。ISO200でも、ノイズがのる原因は、ここにあります。0EVまたは、+0.5EVで、白飛びを許容して、ノイズを減らした方がよかったかもしれません。

なお、伝統的には、EVの調整は、画面が黒い場合には、画面をクレーでなく、黒く写すには、EVをマイナスにふる、画面が白い場合には、画面をグレーでなく、白く写すにはEVをプラスにふるというものです。

RAW現像をすると、この公式はわかりにくいですが、ここでは、暗い室内を少し明るく写すことが目的になると考えれば、プラスに振ればよい訳です。

 

旧青木家那須別邸(2)(栃木県那須町)~つくば市とその周辺の風景写真案内(472) 2021/07/20

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写真1

 

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写真2

 

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写真3

 

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写真4

 

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写真5

 

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写真6

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写真7

 

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写真8

 

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写真9

 

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写真10

 

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写真11

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写真12

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