パラメトリックマスク(2)
今回は、パラメトリックマスクのラスターマスクについて説明します。
理解のポイントは、マニュアルの次の部分です。
2.ラスターマスクは、モジュール処理後にピクセルパイプの上に渡されます。ラスターマスクは、生成モジュールよりもパイプの後半にあるモジュールでのみ使用できます。
ピクセルパイプは、RAW画像に、モジュールを適用する順番を決めたパイプラインです。darktable2.8までは、ピクセルパイプは、固定で、ユーザーが、モジュールを使った順番ではなく、ピクセルパイプの順番で、モジュールが適用されていました。この方法のメリットは、出来上がったJpeg画像は使ったモジュールの順番に関係がないことです。モジュールの順番が、A->BとB->Aで、処理結果が異なると、順番に注意しなければならないので、操作が煩雑になります。ピクセルパイプを固定にすれば、この問題が回避できます。
darktable3.0になって、シーン参照ワークフローと表示参照ワークフローが適用されました。この2つのワークフローの違いで、途中の画像のダイナミックレンジが異なるので、2種類のパイプラインの順番が使われるようになりました。また、推奨されませんが、ピクセルパイプの順番を変えることも可能になりました。
写真1は、履歴です。14番の露光までは、自動実行モジュールとその後の露光調整です。
ワークフローは、シーン参照です。
この後から、マニュアルの現像が始まります。
15番でカラーライズを使ったあとで、カラーゾーンを使っています。
写真2は、写真1の履歴を圧縮したものです。
ここでは、13番にカラーゾーンが、14番にカラーライズが来ています。これが、ピクセルパイプの順番です。
ここで、マニュアルの引用に戻ります。
「ラスターマスクは、生成モジュールよりもパイプの後半にあるモジュールでのみ使用できます」と書かれています。これは、ラスターマスクの利用は次になっていることを意味します。
〇 (カラーゾー)ー>(カラーライズ)
× (カラーライズ)ー>(カラーゾーン)
写真3は、カラーゾーンでパラメトリックマスクを作っています。
写真4は、カラーライズで、右から2つ目のラスターマスクアイコンを選んで、ラスターマスクの選択タブを右クリックしたものです。「カラーゾーン」が出ているので、これを選びます。
写真5は、カラーライズで処理した結果です。ラスターマスクが効いています。
このように、ラスターマスクは、特に、変換してマスクを作る必要もなく、簡単に使えますが、ピクセルパイプの順番だけは、正確に意識する必要があります。
簡単に、見えますが、ピクセルパイプが理解できないと混乱しますので、モジュールを変えて試してみてください。
2つのモジュールの間のラスターマスクのコピーは必ず、一方通行になります。
今回は、ここまでです。
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