前経団連会長の中西宏明氏の死去
中西宏明氏は、最近の経団連会長の中では、突出して組織改革に突き進んだ人です。
組織改革をするには、時間がかかります。日本の会社組織のように、それでなくとも、変化を拒否する組織であれば、なおさら時間がかかります。そうすると、高齢になってから、組織のトップに立つので時間が足りなくなります。中西宏明氏も、日立製作所では、組織改革を進めましたが、経団連で、組織改革を完成させる時間は残されていなかったと思われます。
正月に、日経新聞を見ると、会社の社長の顔写真と挨拶がのっています。ほとんどの社長の年齢は60歳を過ぎています。これをみれば、組織改革ができる会社は限られていることがわかります。
大学入試改革は、民間の英語試験と論文試験の2つの目玉は、ともに、頓挫しています。
変わらない日本、あるいは、変われない日本とよく言われます。
その原因は、トップが年寄であるのが当然である、社長が偉いというようにポストで人を判断する、ポストが高ければ給与が高いのは当然である、と考えることに原因があります。
これは、かなり、強固な集団思考です。ポストと給与は関係しないこと、会社で偉い人は、利益を上げた人であって、給与とポストとは関係しないことを認めないと組織改革はできません。
さらに、失敗する人は偉くないという考えも広く浸透しています。確実に失敗しないビジネスは、ピンハネビジネスです。補助金をもらえば、その分は、100%利潤に上乗せできます。しかし、これが、常態化すると、失敗することはよくないという発想になり、新しいビジネスができません。
オリンピックでは、広告大手のZ社が、利権のトライアングルを形成していると言われています。しかし、利権のトライアングルは、ピンハネビジネスです。ピンハネビジネスが良いビジネスであるという集団思考が形成されると、会社はつぶれます。Z社も、Googleのアドセンス広告のような新しい広告ツールをもっていません。この状態で、利権のトライアングルにのめり込めば、会社のガバナンスは崩壊します。
実のところ、Z社の利権のトライアングルは、噂なので、本当かどうかはわかりません。
しかし、公共予算や、それに準ずる予算で食べている会社はたくさんあります。そうした会社がまともか、否かは、国際競争力を見ればわかります。
日本は、能力のある人が移民する先ではなくなってしまいました。これも、労働市場の国際競争力がなくなったといえます。
前の記事
次の記事
関連記事
2021/06/30
2021/06/29