シリーズの最後に、モノクロ写真にも触れておきます。
3d lutは、Stuart SowerbyのFuji Film Simulation Profilesを使っています。
写真1は、「Provia」のカラーです。
モノクロ使う時には、どの場面で使うべきかがポイントになります。
これは、モノクロだけでなく、実際に、使って見ると、3DLの使い方よりも、その場合に、そのパラメータをつかうと効果的であるかの判断の方がずっと難しいです。
「 日本横断徒歩の旅」では、古い歴史を感じさせるシーンだけにモノクロを使っています。
写真2は、まず、セピアを試してみました。確かに、古い感じにはなったけれど、今ひとつの気もします。
写真3は、Momoです。
写真4は、Acrosです。
Acrosの方が、Monoよりはましな気がします。
写真5は、写真4にトーンイコライザーでメリハリをつけました。台座の石などは、質感がでています。
とはいえ、全体に、モノクロでなければ、伝わりにくいものが表現できているとは言えません。
ここで、アンセル・アダムスのことを思い出しました。ゾーンシステムのメリットは、広いダイナミックレンジを表現できることです。モノクロは、カラーから色をとっただけでなく、広いダイナミックレンジでも、中間トーンが保存できるのです。
写真1は、どう見ても、ダイナミックレンジが広いとはいえません。つまり、もとの写真がモノクロ向きではないのではと思いました。
写真6が、ダイナミックレンジが広そうな候補の写真です。
写真7が、Acrosの3d lutを使った画像です。トーンイコライザーなどで加工しています。
ここまで行けば、カラーにないメリットもあると思われます。
シリーズの最後のまとめは、スタイルファイルやプリセットより、表現意図を優先すべきだというものです。
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日本横断徒歩の旅 内村コースケ
https://www.newsweekjapan.jp/uchimura/
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