つくば市立秀峰筑波義務教育学校
平成28年4月1日に、「学校教育法等の一部を改正する法律」及び関係政省令を施行し、義務教育学校や小中一貫型小学校・中学校の設置等を可能とするなど、小中一貫教育を推進するための法的な体制整備がなされました。
図1に、栃木県の「小中一貫教育ガイドライン」から図を引用します。
要するに、「義務教育学校」と「小中一貫小学校・中学校」があります。
今回は、つくば市立秀峰筑波義務教育学校ですが、春日学園(つくば市立春日学園義務教育学校)も、すでに紹介しています。
2020/11/26
義務教育学校とは
「新しい学校の種類 義務教育学校 宗像市」で、義務教育学校をおさらいしておきます。
以下、引用です。
「義務教育学校」は、現行の小・中学校に加え、小学校から中学校までの9年間の義務教育を一貫して行う学校として、平成28年4月に制度化された新しい学校です。平成29年度には、全国24都道府県で48校の義務教育学校が開校されています。
9年間を通じた目標や教育活動
義務教育学校では、1年生から9年生までが一つの学校に通います。そのため、9年間を通じた教育目標のもとに、学習や生徒指導など一貫した教育が行われます。小学校から中学校へ進学する時に生徒が体験する環境の変化に配慮し、その間の接続を円滑にするための学習指導・生徒指導上の工夫などの取り組みが行いやすくなります。
教育課程の柔軟な編成が可能
義務教育学校の教育課程は、国の学習指導要領に準じて行われますが、学校や地域の実態に応じて9年間の枠組みの中で柔軟な編成を行うことができます。これにより、従来であれば中学校段階の教育の特徴とされてきた教科担任制や生徒会活動などを、小学校高学年段階から導入するなどの工夫を行うことができます。
地域に根差した特色ある教育活動
義務教育学校では、9年間を通じた特色ある教育活動の一環として、新しい教科の創設や地域の特徴を生かした学習など、学校独自の工夫や地域の思いを教育課程に反映させることができます。
つくば市立秀峰筑波義務教育学校の経緯
次に、つくば市立秀峰筑波義務教育学校の経緯をwikiで見ておきます。
2018年3月まで「つくば紫峰学園」・「つくば百合ケ丘学園」として小中一貫教育を行っていた7小学校と2中学校を統合して、つくば市役所筑波庁舎の跡地に新設した。当初は2017年(平成29年)4月に筑波・田井・北条・小田の4小学校と筑波東中学校を統合して先行開校し、1年後にさらに4校を統合する予定であったが、校舎の建設工事が遅れたため、1年延期され、9校を同時統合して2018年(平成30年)4月1日に開校した。なお延期決定時に校名も再検討するとされたが、「秀峰筑波義務教育学校」がそのまま採用された。
2017年(平成29年)9月1日 - 筑波東中学校が、つくば市北条5073番地(秀峰筑波義務教育学校となる校舎)に移転。 2018年(平成30年)4月1日 - 筑波小学校、田井小学校、北条小学校、小田小学校、作岡小学校、田水山小学校、菅間小学校、筑波東中学校、筑波西中学校が移行して新設。
恐ろしくわかりにくいのですが、法律は2016年4月1日にできていますので、これに合わせて、当初、2017年4月1日開校の予定が1年ずれたということです。
制度ができる前に、2012年から、小中一貫小学校・中学校をすすめて、「つくば百合ヶ丘学園」と「つくば紫峰学園」を開校しています。ただし、この時は、中学校と小学校は、元の場所にあります。
2017年に校舎ができなかっのですが、、つくば紫峰学園の筑波東中学校だけが、2017年に、つくば市北条4160から、つくば市北条5022に移転しています。そして、2018年4月1日に、全ての移転が終了します。
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つくば百合ヶ丘学園、つくば市作田(2012-2018):筑波西中学校、田水山小学校、作岡小学校、菅間小学校
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つくば紫峰学園、つくば市北条4160(2012-2017):筑波東中学校、筑波小学校、田井小学校、北条小学校、小田小学校
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つくば紫峰学園、つくば市北条5022(2017-2018);筑波東中学校、(筑波小学校、田井小学校、北条小学校、小田小学校)
さた、義務教育学校の理念は高いのですが、実際には、wikは次のようにかいています。
子供の数の減少により、つくば紫峰学園とつくば百合ヶ丘学園を構成する7小学校2中学校を統合した秀峰筑波義務教育学校がつくば市役所筑波庁舎の跡地に設置され、元の学校は2018年(平成30年)3月31日に閉校した。
「つくば市の取組について」をみると、次ようになっています。つまり、これは予測ですが、つくば市のTX沿線は、今後人口が5割くらい増加するのに対して、北条市街地は。5割減ることになっています。
〔人口増減率〕
・研究学園地区・TX沿線地区H22→H27(14%)H27→H47(48%)
・地域拠点市街地(例:北条市街地)H22→H27(-6%)H27→H47(-52%)
図2が、北条地区 人口・世帯数の推移ですが、平成15年から、29年の14年間に17%減っていいます。年率にして1%を超えています。
現在、全校児童・生徒約1,100人のうち約700人は20台のスクールバスに分乗して通学しており、最も遠距離の児童・生徒は約30分かけてバス通学するそうですから、この方法であれば、人口の変化に耐えられることになります。
なお、秀峰筑波義務教育学校以外のつくば市内の義務教育学校は人口増加地域にありますので、性格が異なります。
校舎の設計・監理は、 横須賀満夫建築設計事務所と施工(株)エム・テックです。
この設計は、2017年に募集され、 横須賀満夫建築設計事務所がプロポーサル第1位を得ています。
スペックは以下です。
住所 茨城県つくば市 竣工日 2017.7 建築面積 229.52㎡ 延床面積 10,525.05㎡ 構造 鉄筋コンクリート造 地上3階
横須賀満夫建築設計事務所は、水戸にある設計事務所で、秀峰筑波義務教育学校を建築した、2017年には、偕楽園駅も手掛けています。つくば市内では、つくば市立茎崎中学校の設計もしています。
また、既に、紹介した茨城県結城看護専門学校も設計しています。
2021/04/13
写真1が、秀峰筑波義務教育学校の正門です。正門から見える建物は、中央が吹きぬけになっていて、きれいです。
写真2は、秀峰筑波義務教育学校と隣接する水田、筑波山を撮影しています。
写真3は、校庭です。後ろにある建物は、同じパターンが3回繰り返されていて、若干画一的に見えますが、大規模校として、このあたりが、妥協点なのかもしれません。
義務教育学校内には、通常は立ち入れませんが、「つくば紫峰学園 LIXIL」で内装をみることができます。
なお、地区ごとの人口の増減には、2008年以降の県知事の裁量による農地の宅地転用の拡大の影響が強かったことが指摘されています。スプロールが起こった結果、現在では、転用は縮小されています。
https://www.tsukuba.ed.jp/~shuho/
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つくば市立筑波東中学校
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横須賀満夫建築設計事務所
http://www.design-yokosuka.co.jp/?p=335
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つくば紫峰学園 LIXIL
https://www.biz-lixil.com/case/pdf/B170082.pdf
https://www.city.munakata.lg.jp/w041/030/010/030/0250/20180131093843.html
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小中一貫教育の導入状況調査について H29 文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/ikkan/__icsFiles/afieldfile/2017/09/08/1395183_01.pdf
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栃木県小中一貫教育ガイドライン
https://www.pref.tochigi.lg.jp/m03/syotyu_ikkann/syotyuikkan.html
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つくば市の取組について
https://www.mlit.go.jp/common/001252947.pdf
https://www.mlit.go.jp/common/001252948.pdf