北米で河川環境配慮が最も進んでいるのは、米国のオレゴン州、マサチューセッツ州、カナダのブリティッシュコロンビア州です。
北米の場合、大規模な河川改修が行なわれるようになって、まだ、200年ですので、河川環境は復元が基本です。
ブリテッシュコロンビア州の場合、2002年くらいから、つまり20年くらい前から、河川環境の復元を進めてきています。ただし、今までは、adaptation中心で、試して、結果をみて、良ければ、その方法を継続し、悪ければ対策を変えるという手順です。
これに対して、2017年のInterim Assessment Protocol(ver.1.0)から、GISを使って、河川環境を評価する方法が始まりました。
2020年には、ver.1.3が出ています。
「Interim Assessment Protocol for Aquatic Ecosystems in British Columbia v.1.3
ブリティッシュ コロンビア州の水生生態系に関する暫定評価プロトコル」
このInterim Assessment Protocolは、Finalのようです。
河川環境管理は、次の3つのレベルで検討されます。
日本では、上の2つのレベルの調査や研究者が少ないですが、因果関係は、面ー>線ー>点とつながりますから、上の2つのレベルを無視しては、対策は立てられません。
今回のInterim Assessment Protocolは、流域の面のレベルでの環境管理が実用に耐えるレベルに達したことを意味するので、非常に大きな意義があります。
以下に参考までに、14の評価指標をリストアップします。日本では、取水口を統合する合口化が進みましたので、13.は使えません。しかし、その他は使えると思われます。
おそらく、3年後には、河川環境政策は大きな分岐点を迎えると思われます。
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Road Density (km/km2 ) 道路密度 (km/km2 )
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Road Density < 100 m from a Stream (km/km2 ) 道路密度 < 川から 100 m (km/km2 )
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Road Density on potentially unstable slopes (km/km2 ) 不安定な斜面の道路密度 (km/km2 )
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Stream Crossing Density (#/km2 ) 河川横断密度 (#/km2 )
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Riparian Disturbance (km/km) Streams – Linear Based Measurement 河畔帯攪乱 (km/km) 流れ – 線形ベースの測定
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Peak Flow ピークフロー
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Proportion of Riparian Disturbance (%) for Streams, Lakes, and Wetlands – Area Based Measurement 河川、湖、湿地の河岸擾乱の割合(%)–面積ベースの測定
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Total Land Disturbance (Human Disturbance/ Land Use/Land Cover and Natural Disturbance combined) (%) 土地攪乱の合計 (人的障害/土地利用/土地被覆と自然障害を合わせたもの) (%)
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Land Ownership (% ) 土地所有権 (% )
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Mines (#/Watershed) 鉱山 (#/流域)
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Permitted Waste Discharge (#/Watershed) 許容廃棄物排出量 (#/流域)
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Water Withdrawals (#/Watershed) 取水口 (#/Watershed)
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Dams (#/Watershed) ダム (#/流域)
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Interim Assessment Protocol for Aquatic Ecosystems in British Columbia 1.3 2020