台湾産のパイナップル

 

 

近くのスーパーで、台湾産のパイナップルを売っていました。スーパーの中ですれ違った女性が、籠の中に、大きなパイナップルを2つも入れているのを見て、はて、どこのパイナップルだろうかと気になって探してみたら、台湾産でした。大きさが大きい上に完熟のしかたが、中途半端ではありません。1個600円くらいでしたが、サイズと品質を考えれば、決して高くはないと思います。ただし、あまりに大きいので、我が家では、食べきれないと考えて購入しませんでした。これが、うわさの「中国が購入しなくなった台湾産のパイナップル」のようです。

パイナップルを見て、台湾バナナを思い出しました。昔は、大きなバナナは台湾産だけで、他の国から輸入したバナナのサイズは一回り小さかったのです。最近になって、果物の品種を登録して、外国では生産させないようにしようという活動がおこなわれています。しかし、苗を簡単に持ち出せる場合には、どこまで実効性があるかは微妙です。さらに、パイナップルの場合には、食べたあとで、ヘタの部分を水につけておけば、簡単に根が出て、パイナップルを育てることができます。アボカドやライチも食べ残しの種から簡単に育てることができます。このような場合には、品種の流出を防止することは困難です。ところが、バナナはその逆です。バナナには種がありません。つまり、苗を経由してしか、品種の持ち出しはできません。1980年頃に台湾バナナの系統は、世界中に広まってしまいます。そこで、どこから、苗が持ち出されたのかが気になります。一説は、日本の植物園経由というものです。正直、今となっては、ルートは、わかりませんが、その結果、台湾バナナの独占的な地位は失われました。

最近では、作物の品種だけでなく、海外への技術流出を防ぐべきであるという話も進んでいます。

しかし、こうした話が出てくる背景には、技術開発の能力が低下したからだという指摘もあります。

伝説のエンジニア、ロケット・ササキ(佐々木正)はつぎのようにいっています。

「いいかい、君たち。分からなければ聞けばいい。持っていないなら借りればいい。逆に聞かれたら教えるべきだし、持っているものは与えるべきだ。人間、一人でできることなど高が知れている。技術の世界はみんなで共に創る『共創』が肝心だ」

佐々木は、高等学校は、台湾の台北高校を卒業しています。台湾のパイナップルから、佐々木正にたどりついたのも、何かの因縁かもしれません。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E3%80%85%E6%9C%A8%E6%AD%A3

https://newswitch.jp/p/11909