写真と文字が混ざった原稿があります。今書いている、この記事もそうですが、写真につけたキャプションよりは文章量が多い場合があります。本当は、写真とその説明を合わせて構造体に扱えればよいのですが、wordでは、テキストボックスを作って、その中に、写真と文字を入れ込む必要があります。LaTeXのように、図は、タイトルとキャプションのついた構造体として、定義されていれば、簡単なのですが、WYSIWYGでは、そうできないのでしょう。頭が、LaTeXやマークアップになれると、WYSIWYGは苦痛です。
さて、今回のテーマは、「『写真と文字が混ざった原稿』を印刷できるように編集する方法は何がよいか」ということです。
ざっとレビューした結果は以下です。
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文章が多く、写真が一部の原稿(デジカメ以前の原稿は95%以上がこのタイプ)は、word、google documentでそれなりに編集して、印刷できます(PDFに変換できる)
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写真が多く、文字が少ない場合には、power point、google slideで、それなりに編集して、印刷できます(PDFに変換できる)
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文字と写真が半分ずつの場合は、不明です。このタイプの原稿は、今まで、紙では出版されていないので、工夫の余地がありそうです。
なお、ScribusなどのDTPソフトも、power pointに近い処理をします。大きな違いは、紙に印刷する場合、カラーマネージメントがしっかりしている、複数ページのテキストボックスがリンクしていることです。後者は、例えば、1ページ目のテキストボックスの末尾に溢れた文字は、2ページ目のテキストボックスの先頭に移動する機能です。カラーマネジメントは、画面でPDFを見るのであれば、あまり、厳密な管理は今のところできないと思いますので、2.のタイプでもあまり問題になりません。ただし、テキストボックスのリンクは欲しい機能です。
あとは、DTPソフトは、覚える機能が多いこと、手間がそれなりにかかること、ファイル形式に互換性がないことがありますので、DTPソフトを使うか、1.2.のタイプのソフトを使うかは、そのあたりのバランスを考えるべきと思われます。文字の多い原稿であれば、markdownのデータで出版している例もあります。また、最終的にDTPソフトを使う場合でも、レイアウトの検討などは、2.のタイプのソフトを使った方が効率的です。
写真1は、ファイルのページ設定メニューです。
写真2は、ページサイズの設定例です。ここでは、B5に設定しています。
写真3は、1:2の縦横比の写真のレイアウト例です。写真集の場合には、まず、写真のレイアウトを決めて、その後で、文字を入れる順番になります。1:2ですと、ちょうど、2枚が納まり、上部に余白ができます。
写真4は、写真サイズの変更方法を示しています。複数枚の写真を選択して、同時にサイズを変更できます。
写真5、写真6,写真7は、印刷プレビューの例です。表紙が1ページで、その後、写真が、2,3ページと続く場合には、2ページと3ページは見開きになります。ところが、google slideの印刷プレビューには、この機能がありません。そこで、ここでは、表紙の後に、1ページ分のダミーページを挿入しています。ダミーは最終版では、取り除きます。写真6の場合には、偶数ページも奇数ページも同じレイアウトになりますが、写真7の場合には、偶数ページも奇数ページも同じレイアウトにはなりません。もちろん、これは、写真を水平方向で中央に置いていないために生ずる現象です。写真7でも、写真6と同じように、写真を水平方向で中央に配置することはできますが、そうすると、文字の流し込みが難しくなります。つまり、余白に文章を入れるためには、正方形の写真は、右または、左に寄せるべきです。写真7では、見開きで、中央に写真がよるように配置しています。
写真8は、作成したファイルをパワーポイント形式に変換しています。この方法で、パワーポイントで読み込めるファイルができます。パワーポイント形式への変換は万能ではありませんので、チェックが必要です。今回の範囲では、大きな問題はありませんでした。
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Scribus wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/Scribus