チームラボ偕楽園 光の祭の写真撮影と編集(4)

卵型のオブジェと木の幹のライトアップ

今回が、撮影の説明の最後になります。次回は、編集方法について、解説する予定です。

写真1は、好文亭入り口のに木に、投影された網目模様のオブジェです。色の明るさの変化は、比較的ゆっくりで、松の木のライティング同様に、手振れに注意すれば、格段に難しい所はありません。なお、今回の部分の撮影は、すべてKiss Mで行っており、カメラは1種類です。

写真2と写真3は、卵型のオブジェです。卵型のオブジェの撮影は、次の点で難しいです。

  • ホワイトバランスの設定が難しい

  • 残像の効果がある

順に説明します。

ホワイトバランスの設定が難しい

卵型のオブジェでは、フレームから、白い色が消えることがあります。したがって、darktableでのホワイトバランスの調整は難しくなります。卵型のオブジェの光源はLEDと思われますが、Kiss Mも、PL-6も、ホワイトバランスには、LEDモードはありません。ちなみに、darktableのカラーキャリブレーションには、LEDモードがあります。写真3は、カメラのホワイトバランスを蛍光灯モードに設定したものです。確かに、この方法であれば、一部の卵型のモジュールは、きれいに白くなっています。しかし、これは、目で見た場合とは違う印象です。一方、ホワイトバランスがオートモードの写真2では、白が出ていません。これは、その時のオブジェの色の問題であり、一概に、ホワイトバランスの問題とはいえません。しかし、写真2と写真3の木の幹の色を見ると、実際の感覚に近い色は、写真2です。つまり、白があるから、写真3が良いとは言えないのです。しかし、darktableでの修正を前提にすれば、ホワイトバランスは、オートよりも、蛍光灯の方が良かったと思います。

残像の効果がある

写真2も写真3も、卵型オブジェの色は1色か2色ですが、実際に感じた色はもっと多様です。これは、梅林のライトアップと同じような残像効果と思われます。つまり、写真2も、写真3も、シャッター速度は、1/60秒なので、撮影直前のオブジェの色の残像効果を拾っていません。この場合には、シャッター速度優先で、手振れしない範囲で、長めのシャッター速度を設定すべきだったと思われます。写真2と写真3は、写真1と写真4と比べてみればより明るいです。この明るい条件で、シャッター速度を長く撮るには、ISOを下げる必要があります。暗所の撮影では、ISOがあがらないように気を使うことが多く、そのためには、ISOが自動で変わらないように、ISO固定で、マニュアルで撮影することも多いです。しかし、この場合には、ISOを自動設定にして、シャッター速度に合わせて、ISOを下げる必要があったことになります。

写真4は、暗かったので、シャッター速度は、1/15秒で、問題なく撮影できています。

今回の4枚の写真を見れば、わかるように、必ずしも、暗いところの方が、撮影が難しい訳ではない点が悩ましいところです。

まとめ

シリーズの(2)(3)(4)を通してまとめると、残像効果を写真に入れたり、光量を多くして、ノイズを出にくくするためには、シャッター速度の制御が、ISOの制御以上に重要であったことになります。

 

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写真1 好文亭入り口 Kiss M 16mm(26mm) 1/6sec ISO800 WBオート

 

 

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写真2 卵型のオブジェ Kiss M 16mm(26mm) 1/60sec ISO800 WBオート

 

 

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写真3 卵型のオブジェ Kiss M 16mm(26mm) 1/60sec ISO800 WB蛍光灯

 

 

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写真4 木の幹のライトアップ Kiss M 16mm(26mm) 1/15sec ISO800 WBオート