2月第2週の東京都の感染者数のまとめ~コロナウィルスのデータサイエンス(184)

2月第2週の東京都の感染者数のまとめ

2月の第2週も終わるので、今週の2月13日までの感染者データをまとめておきます。

Google Transitデータも更新しました。

Googleの予測データも、2月10日版に更新して、これも7日移動平均をEstimatedでプロットしてあります。

今週の東京都の検査データは、検査数が直近7日平均6,630.6 人(8,363.6 人)、陽性率が直近7日平均 5.1 %(5.6%)です。これは2月11日の数値で、()は、2月4日のデータです。

その前の、1月12日の陽性率は14.2%ですから、4週間で、陽性率は14.2->10.5->7.8->5.6->5.1%と下がっています。偏差は、3.7->2.7->2.2->0.5で、偏差の比率は、0.73->0.81->0.91です。過去の東京都の陽性率の最低値9月末の約3.4%です。今後は、下げ止まり傾向になると思われます。先週、「偏差が、前週の0.8倍とすると5.6-2.2*0.8=3.84%と4%を切るのですが、この値は、3.4%に近いので、そこまでは、下がらないでしょう。1%下がればよい方ではないでしょうか。」と申し上げました。結果は、-0.5%で、ほぼ、予測した範囲です。

図1が、2月10日版のGoogleの予測値と、東京都の感染者数、経路不明感染者数です。

行動制限率は、7日移動平均では、先週の-43%が、ー41%と少しだけ弱まっています。陽性率が下がってきているので、このレベルの行動制限が続けば、感染者数は徐々に減少すると思われます。

図2に、感染者数の推移にトレンド線を入れてあります。

水色の線が赤色の線に変化し、この時点で、減少率が低下しています。そのあと、更に減少率は、赤色の線の傾きより緩やかになるのですが、最近は、また復活して、赤色の線に平行になっています。ただし、経路不明の変化は一貫して減少率が低下していて、減少率が復活するパターンはみられないので、基本的には、こちらの傾向が中期的な変動パターンを表していると思われます。

図3に、11月1日からの東京都の経路不明率と陽性率を示します。これから見ると、11月1日頃から、経路不明率と陽性率が連動して変動していたものが、最近では乖離しています。また、経路不明率と陽性率はともに、減少傾向がほぼ打ち止めになっています。

図4に、感染者数の1週間前の同じ曜日との差を示しています。東京都が前週との比を使うようになったので、前週との比率(1week_ratio)もプロットしてあります。ただし、軸を共通にするために、ー1をかけています。行動制限率はここのところ、-41%前後で、感染者数も前週より、100-200人減っています。今週になって、分母の感染者数が400人くらいまでだったので、今後は、200人は減らなくなります。今のところ東京都は、感染者数の減少比率を1週間前の70%とみています。

**追記 2月15日

図4の感染者数の比のグラフに間違いが見つかったので、訂正し差し替えました。

今までは、東京都が、前週の7割という数字をだしたので、それに合わせた表示にしてしまいました。

ここでは、減少量を表したいので、7割の場合には、30%減とし、それにー1をかけています。この表示法では、変化がなくなると、ゼロになります。前の表示では、変化がなくなると-100になるので、この表示の方がわかりやすいです。

御覧のように、感染者数の減少が、急速に、ゼロに近づいています。

**追記おわり

 

次は、先週に行った計算です。


2月6日の1週間の移動平均の感染者数が601人なので、600人を基準に考えると

2月第2週 600x0.7=420人 前週差 -180人

2月第3週 600x0.7x0.7=294人 前週差 -128人

2月第4週 600x0.7x0.7x0.7=206人 前週差 -88人

3月第1週 600x0.7x0.7x0.7x0.7=144人 前週差 -62人

になります。ここまでは、現在予定の、緊急事態宣言です。

参考までに、68%とすると、3月第1週は、128人になります。


さて、

2月13日の感染者数は7日移動平均で388人ですから、いまのところ70%以上の減少率で、予測計算どおりです。

図4は、1週間前との偏差です。最新のデータは2月11日です。1つの点が1週間前と比較した1日のデータです。陽性率の偏差はー1%を切って、変化が小さくなっています。一方、検査人数の偏差は、-2000から-1000人減っています。つまり、ここ1週間の感染者数の減少は、主に検査数の減少が要因です。

筆者は、陽性率が下がらずに、感染者数の減少だけで、感染数が減少するのは無理があると思います。

仮に、陽性率の減少が更にあれば、感染者数は、100人未満にもなりうると思います。

しかし、陽性率の減少がなければ、200人から300人の間くらいで、いったん足踏み状態になる可能性があると思います。

この推定に対する大きな反論は、最近は、世界的に感染者数の減少が始まっていることです。これは、ワクチンで説明できる範囲を超えています。理由は、よくわかりませんが、外侵入種は、最初に爆発的に広がっても、その後、爆発的な拡大が止まるのが普通です。これは、外来植物の雑草などにみられるパターンです。植物の場合には、国内の在来種が競争力を獲得することが起こり、外来種の拡大が止まります。ウイルスの場合にも、インフルエンザウィルスなどの他のウィルスが、コロナウィルスの拡大に干渉するようなパターンです。この場合には、陽性率に大きな変化がなくとも、100人くらいまで感染者数が下がる可能性があります。

非常に変動の大きなGoogleの予測は、最新版(2月10日)では、1か月後には感染者数が150人くらいまでさがると予測しています。

 

 

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図1 東京都の感染者数の推移(左軸:人、感染者数、経路不明感染者数、右軸:%、Google Transitデータ、2月10日版Google予測データ)

 

 

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図2 東京都の感染者数の推移(トレンド)

 

 

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図3 東京都の経路不明率と陽性率(左軸:経路不明率%、右軸:陽性率%)

 

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図4 東京都の感染者数の前週の同じ曜日との比較とGoogle Transit(左軸:感染者数の差、人、右軸:行動制限率%、右軸:感染者数の比x(ー1))

 

 

 

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図5 東京都の前週の同じ曜日との感染者数の差(横軸)と陽性率の差(縦軸)

 

  • COVID-19 感染予測 (日本版) 2月10日版

https://datastudio.google.com/reporting/8224d512-a76e-4d38-91c1-935ba119eb8f/page/4KwoB?s=nXbF2P6La2M

  • NHK特設サイト

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/

  • 都内の最新感染動向

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

https://www.google.com/covid19/mobility/ Accessed: <2021.2.13>2021-2-10version.