2014年の土浦市と三帆ひろば(さんぽひろば;土浦市)
三帆ひろばは、2015年にグッドデザイン賞を受賞した土浦市の公園です。前回は、結婚式場の「フラン ベル アムール」を紹介しましたが、実はこの時の撮影ツアーの目的地は、三帆ひろばです。そして、どちらの景観が優れているかと言えば、フラン ベル アムールの圧勝です。しかし、景観は、多かれ少なかれ、歴史を引きずっています。
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2015年の土浦市
2014年2月10日には、土浦市長とつくば市長が合同記者会見を開き、両市の合併・中核市への発展を視野に入れた定期的な勉強会の開催が発表されます。(注1)
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三帆ひろば
2014年ころ、土浦港に隣接したエリアで、大型複合施設の建設途中で事業頓挫した低未利用地が生じます。
この「事業頓挫した低未利用地」活用計画が、三帆ひろば( 2015年3月開園)です。建設途中の残された基礎はそのまま流用する方針をとられています。また、このひろばは、利用計画が決まるまでの暫定的なものになっています。デザインに筑波大学が関与している点には、上記の定期的な勉強会との関連が推察されます。
2021年2月時点では、三帆ひろばはまだ、現存しますが、6年たつので、想定された暫定的な利用期限を過ぎているのかもしれません。グッドデザイン賞のHPには「※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。」と書かれていますが、このHPに載っている土浦市の三帆ひろばの解説へのリンクは切れています。また、グッドデザイン賞のHPには「霞ヶ浦側には6本のポールを設置し、彩色された三角形のフラッグが風でたなびき道行く人々を誘う。フラッグの制作やペイントなどは市民との協働作業である。」と書かれていますが、三角形のフラッグはありませんでした。賞味期限を過ぎた、見てはいけないものを見たのかもしれません。
写真1と2が、三帆ひろばです。
写真3が、現地にあった看板です。
写真4が、HPからとったPDFの当初の看板です。
写真3と4を比べると、6年の時間の流れを感じます。
三帆ひろばは美しいとはいえません。ただし、2015年の土浦市のタイムカプセルとしてみれば、また違った面が見えると思います。
グッドデザイン賞のHPに詳しい解説があるので、詳細は、そちらに譲ります。引用は一部だけなので、グッドデザイン賞のHPにアクセスして、是非、全体もみていただければと思います。なお、三帆ひろばはドラマや映画に使われたこともあるようです。
グッドデザイン賞のHPからの引用
受賞対象名 広場 [三帆ひろば]
事業主体名 土浦市 分類 街区・地域開発 受賞企業 筑波大学都市デザイン研究室 (茨城県) 受賞番号 15G101008
受賞対象の概要 ※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
大型複合施設の建設途中で事業頓挫した低未利用地を「アート×デザイン」によって暫定活用する広場である。林立する無機質なコンクリートブロックに空パタンと波パタンのペイントを施し、広場に明るさとリズムが生まれた。1から66までの数字も不連続にペイントされ、様々な遊びに利用できるほか、数字を順に辿ることで言葉が表れる謎解きもできる。広場の一角ではコンクリートブロックの上部に木製テーブル、側面には黒板ペイントを施した。休憩やお絵かきなど自由な発想で利用できる。霞ヶ浦側には6本のポールを設置し、彩色された三角形のフラッグが風でたなびき道行く人々を誘う。フラッグの制作やペイントなどは市民との協働作業である。
ディレクター 筑波大学都市デザイン研究室
デザイナー 筑波大学大学院
利用開始 2015年3月
注1:
2017年につくば市側からの申し入れにより勉強会は解消されました。
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広場 [三帆ひろば] 2015年グッドデザイン賞
https://www.g-mark.org/award/describe/43004
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[三帆ひろば] 看板
https://www.city.tsuchiura.lg.jp/data/doc/1426577620_doc_34_1.pdf
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土浦市 人口ビジョン 総合計画(案)
https://www.city.tsuchiura.lg.jp/data/doc/1441097652_doc_3_4.pdf