1月第5週中間の東京都の感染者数~コロナウィルスのデータサイエンス(181)

1月第5週中間の東京都の感染者数

東京都の感染者数は、25日まで、減少傾向だったのですが、26日には、減少傾向が止まってしまいました。ここのところ、Google予測の精度もあまりよくないので、原始的ですが、グラフをみて、今後減少するかどうかを考えてみます。

先に、結論を言いますと、筆者の判断は、消耗戦になっているということです。

1月の第5週の途中の1月25日までの感染者データをまとめておきます。

Google Transitデータも更新しました。

Googleの予測データも、1月24日版に更新して、これも7日移動平均をEstimatedでプロットしてあります。

図1が、1月24日版のGoogleの予測値と、東京都の感染者数、経路不明感染者数です。

御覧のように、Google予測の感染者数の増加率は以前よりおとなしくなっていますが、それでも増えるというものです。

最近の行動制限率は、7日移動平均で、-45%あたりを上がり下がりしています。ここでは、14日ずらしてプロットしていますので、年末年始の谷は、1月15日あたりにきています。その次の谷は、1月11日の小さい数字をひろっています。緊急事態宣言が出て抑制傾向ではありますが、-45%あたりを上がり下がりしている状態です。現在は、年末年始の行動制限率の落ち込んだ部分に対応しています。

図2に、東京都の経路不明率と陽性率を示します。最近は、緩やかな減少傾向にあります。

図3に、感染者数の1週間前の同じ曜日との差を示しています。月曜日までは、500人くらい減っていたのが、火曜日には、ゼロに近づいています。図3には、Google Transitのデータもプロットしてあります。図1では、潜伏期間を14日としてプロットしています。しかし、最近では、潜伏期間は10日であるという説が主流になっています。ここでは、試行錯誤で決定した12日遅れでプロットしています。この図から、行動制限は、ある程度は感染者数の減少に寄与していると思われます。行動制限率からみると、これからも、感染者数が大きく減少することは期待できそうにありません。陽性率の低い時であれば、-45%の行動制限率でも、感染者数は減少すると思います。その頃の陽性率は4%くらいです。現在の陽性率は、低下してきているとは言え、9%くらいありますので、当面は、感染者数が大きく減るとは期待できません。

結論としては、現状を続けると、感染者数の増加は抑えられますが、大きな減少は期待できないと考えます。つまり、消耗戦になっています。この状態は長くは続けられないので、短期的でよいので、いったん、行動制限を強化して、減少傾向にもっていった方が、中期的には、経済的な損失が小さくなると考えます。

 

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図1 東京都の感染者数の推移(左軸:人、感染者数、経路不明感染者数、右軸:%、Google Transitデータ、1月24日版Google予測データ)

 

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図2 東京都の経路不明率と陽性率(左軸:経路不明率%、右軸:陽性率%)

 

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図3 東京都の感染者数の前週の同じ曜日との比較とGoogle Transit(左軸:感染者数の差、人、右軸:行動制限率%)

 

  • COVID-19 感染予測 (日本版) 1月24日版

https://datastudio.google.com/reporting/8224d512-a76e-4d38-91c1-935ba119eb8f/page/4KwoB?s=nXbF2P6La2M

  • NHK特設サイト

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/

  • 都内の最新感染動向

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

https://www.google.com/covid19/mobility/ Accessed: <2021.1.26>2021-1-24version.