カラーキャリブレーションの補足
今回は、色温度の統一を図ってみます。これは、同じ時に撮影したシリーズの写真で、1枚ずつ色合いが異なると不自然になるので、シリーズで色合いの統一を図りたい場合に必要になる処理です。ホワイトバランスモジュール(写真1)であれば、色温度を調整すればよいことになります。カラーキャリブレーションモジュールでも、写真2のように色温度スライダーが表示される場合には、恐らく、adaptationとその下の光源の種類と色温度の3つを合わせればよいと思われます。これは、ピッカーを使った場合でも、この3つ以外のパラメータは設定されていないと考えた場合です。3つより多いパラメータがある場合、または、色温度表示がない場合には、カラーバランスモジュールの設定をスタイルファイルに保存して、スタイル名を付けて、保存し、別の画像の編集の時に、そのスタイルを呼び出せば、同じ条件設定が可能です。念のために、スタイルファイルの保存の仕方を写真3と写真4に示します。
次に実例で説明します。
写真5は、サンプル画像1です。ここでは、画像全体をサンプリングエリアとして、ピッカーを使って、カラーバランスをとっています。全体が、茶色が強く、あまりよいカラーバランスではありません。
写真6では、サンプル画像1に、ピッカーを使って、カラーバランスを設定しています。サンプリングエリアは、白が卓越していると思われる駐車中の自動車に設定しています。青色にバランスの中心が移動しています。
写真7では、サンプル画像1の色温度のスライダーをマニュアルで操作して、色温度を設定しています。画像中に、白いエリアがないと、ピッカーがうまく動作しませんので、この方法を使う方が、ピッカーを使うよりもカラーバランスの結果が、よくなります。
さて、今回の課題は、シリーズの写真です。そこで、2枚目の画像の処理をします。
写真8は、サンプル画像2です。ここでは、画像全体をサンプリングエリアとして、ピッカーを使って、カラーバランスをとっています。全体が、茶色が強く、あまりよいカラーバランスではありません。
写真9では、サンプル画像2に、ピッカーを使って、カラーバランスを設定しています。サンプリングエリアは、白が卓越していると思われる石垣に設定しています。青色が非常に卓越するバランスに移動しています。
写真10では、サンプル画像2の色温度をマニュアルで操作して、色温度を設定しています。ここでは、スライダーは使わずに、サンプル画像1のカラーキャリブレーションモジュールの色温度を読みとって、サンプル画像2の色温度設定にキーボードから数字を入れています。
カラーキャリブレーションモジュールのadaptationとその下の光源の種類が同じならば、この方法を使って、色温度の値をそろえれば、シリーズの画像の色合いをそろえることができます。つまり、写真7と写真10の色合いは統一されていることになります。この2枚の写真の印象が大きく異なる原因は、レンズの特性にあります。画像7は、キャノンのaps-cカメラとレンズ、写真10は、オリンパスのm43カメラとレンズです。ここで使用したオリンパスのレンズは、非常に個性的で、絵画のような写りをします。(注1)
参考までに、同じ色温度に調整したニコンのaps-cカメラの画像を、写真7に対応する写真11(サンプル画像3)と写真10に対応する写真12(サンプル画像4)として示しておきます。キャノンの画像に近い絵作りになっています。
注1:
もちろん、オリンパスのレンズが、総じてこうした描写をするわけではありません。このレンズは、25mmF1.8のレンズで、オリンパスのレンズの中でも特異な描写をします。何を撮影しても柔らかく写ります。他に、類似の描写をするのは、45mmF1.8の2本だけといわれています。