初めてのdarktable3.4(22)

覆い焼きと焼き込み

前回までで、準備ができたので、覆い焼きと焼き込みの説明をします。

覆い焼きと焼き込みのもとの意味は、印画紙に露光中、部分的に露光時間を変えることです。露光時間が短くなる場合が、「覆い焼き」で、露光時間が長くなる場合が、「焼き込み」です。

簡単に言えば、標準より明るくする方法が、「焼き込み」で、標準より暗くする方法が、「覆い焼き」です。

露光を調整する基本ツールは、露光モジュールと、トーンイコライザーモジュールです。

写真1は、トーンイコライザーモジュールです。露光スライダーが、+0EVからー8EVまで、9本並んでいます。

簡単に言えば、トーンイコライザーモジュールは、中心となる露光のゾーンを1EVずつずらして、露光ジュールを9本並べたものになっています。

「覆い焼き」と「焼き込み」を行うには、露光モジュールでも、トーンイコライザーモジュールでもできますが、格段の理由がなければ、コンピュータの負荷の小さな露光モジュールを使うべきです。

「覆い焼き」と「焼き込み」は対象エリアのマスクを作成して、露光モジュールのスライダーを移動させて、マスクの部分を明るくするのが、「焼き込み」で、マスクの部分を暗くするのが、「覆い焼き」ですから、以下では、露光モジュールを使った「焼き込み」で、説明を代表します。

写真2は、「焼き込み」のイメージです。このような写真をつくることを目的とします。なお、ここでは、わかりやすいように、円形マスクの周囲にぼかし(グラデーション)をいれていませんが、通常は、周囲ぼかしをいれて、マスクの境界が目立たないようにします。

写真3は、「焼き込む」まえの画像です。

写真4は、露光モジュールの新しいインスタンスを作るボタンを示しています。このボタンをクリックすると新しいインスタンスができます。

写真5は、露光モジュールの新しいインスタンス(exposure1モジュール)です。古いインスタンスが、写真の下に写っているexposureモジュールです。

写真6は、露光モジュールの新しいインスタンス(exposure1)に描画マスクを作成しています。

写真7は、露光モジュールの新しいインスタンスによる「焼き込み」の作成結果です。

以上のように、新しいインスタンスの作り方が理解できれば、「覆い焼き」と「焼き込み」は簡単にできます。

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写真1 トーンイコライザーモジュール

 

 

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写真2 「焼き込み」のイメージ

 

 

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写真3 元の画像

 

 

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写真4 露光モジュール

 

 

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写真5 露光モジュールの新しいインスタンス

 

 

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写真6 露光モジュールの新しいインスタンスの描画マスク

 

 

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写真7 露光モジュールの新しいインスタンスによる「焼き込み」