アーティザナル(artisanale)~つくば市とその周辺の風景写真案内(291)

アーティザナル

アーティザナルは、美容院です。この美容院は、人気のあるカフェcoxから100mくらいの距離にあります。

カフェcoxは既に紹介しています。

  • カフェ「cox coffee,pastry&meals」~つくば市とその周辺の風景写真案内(162)

アーティザナルは、遠藤康一の設計です。アーティザナルを紹介する気になった理由は、2015年に、グッドデザイン賞を受賞したからです。アーティザナルは、都市計画区域内(市街化調整区域)に建設されており、そのことが、難しい面を生じていると思います。

グッドデザイン賞の解説の一部を引用します。


概要

平面に応じて頂部を偏心させた3棟が内部通路を介して接続する約53坪のコンパクトな木造平屋の美容室。周囲には屋敷を抱えた農家と畑地の間に新興の住宅群が割り込む、都市化が進みつつある典型的な郊外の風景の中に建つ。3つの棟にはそれぞれ、受付・待合、シャンプー、セットルームといった機能上分化された3空間が割り当てられ、各棟が独立性を有しながら相互性を有する内外の空間とした。敷地周囲に古くから点在する分棟形式の農家の母屋、はなれ、納屋といったあり方とも共通する外形を適用しつつも、ヴォリュームのサイズや軒の高さ、それぞれの棟間の距離関係の操作により、3棟が連関して周囲の環境に適合する外観となっている。

(中略)

審査委員の評価

郊外の住宅街に建つ美容室。木造の勾配屋根が並ぶ形式が、地域の景観づくりに貢献しています。ロードサイドショップのあり方として、これからの1つのスタンダードとなるべきデザインだと思います。 またプランニングについても、美容室における行為を上手く分棟形式に納め、非常に開放的な縁側のような場所など、豊かな内部空間を実現しています。こういった平面計画の新しさも、評価される点だと考えます。


正直にいって、現地と、この評価の対比では、あまりよく理解できませんでした。

写真1は、道路側から見たアーティザナルです。このアングルは、グッドデザイン賞のHPにものっています。しかし、HPの場合には、植生がまだ育っていないため、2つの建物はよく見えます。また、その違いの対比も興味深いです。一方、写真1では、3本の木と、低木の茂みのために、建物はよくみえません。

写真2は、写真1の左の建物を、道路から直角にみたものです。ここでも、低木が邪魔をしてガラス面がよくみえません。このアングルからみると、格段に感心する要素はみえません。

写真3は、隣接する駐車場から、道路と反対側を斜めにみたアングルです。ちなみに、写真2と正反対のアングルは、隣接する幼稚園の中になって、撮影はできません。きれいなテラスですが、それ以上の印象はありません。ただし、写真1と2と比べると、違和感があります。

図1は、建物の配置と撮影位置(写真番号で提示)を示しています。図1をみるとわかりますが、簡単に設計すれば、建物Bは、黄色の枠の位置にあるはずです。ここでは、建物Bは黄色の位置から少しずらして建てて、その間に、黄色の接続部分の建築を追加しています。通常は、このスペースはありませんので、これが、見た場合の違和感の理由です。それを、斬新と感じるか否かは、見る人のセンスの問題です。屋根は偏心させているようでうすが、見た感じでは、その効果は感じられません。植生の生育効果を見誤っていたように思われます。

 

https://www.g-mark.org/award/describe/42944?token=PXhIixnkwv

 

 

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写真1 アーティザナル

 

 

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写真2 アーティザナル

 

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写真3 アーティザナル

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図1 アーティザナル