12月30日の過去1週間平均のコロナウィルスの検査人数は6,875.7人 で陽性率は10.2%(699.4人)です。7日間の合計で、4985.9人(699.4人x7)になります。問題は、検査をしていない人にも陽性者がいることです。陽性率が10.2%であるということは、コロナウィルスの検査によって把握できている陽性者の数は全体のごく一部になっていることを示しています。それでは、実際の総数は、どうなっているか、ここでは、正確さは犠牲にしても、ともかく、推定する道筋を考えてみます。これは、フェルミ推定と呼ばれる方法に相当します。
図1が、現在の検査の状況を示します。AとCが検査済み、BとDが検査なしの部分で、Aが陰性、Cが陽性です。BとDの一部、ここでは、Dの一部に色をつけていますが、この部分は、検査されていないが陽性の人を表します。
現状では、この部分がゼロとみなされています。
図2は、検査人数が増加すると陽性率が下がる場合のグラフです。ここで、Cの中央の点をグラフが通れば、傾きが変化しても、平均値はかわりません。
図3は図2の直線を延長したものです。ここでは、赤い三角が、検査されないが陽性の人を表します。
図3のモデルであれば、陽性率が変化する傾きがわかれば、赤い三角形の部分は推定できます。
図4は、東京都の検査数と感染者数と陽性率です。この図から、2020年10月の部分は、検査数は曜日で違いますが、7日平均では、検査数と陽性率に大きな変動がないことがわかります。そこで、この部分を使って、図3の傾きを推定してみます。
図5が、日ごとの全検査データと陽性率です。このデータから、-0.0001の傾きが求まります。
図6は、日ごとのPCR検査データと陽性率です。このデータから、-0.0003の傾きが求まります。
傾きが小さいほど、赤い三角形が大きくなります。そこで、図5と図6を参考にして次の傾きを想定します。
a=c(-0.0009,-0.0006,-0.0003,-0.0001)
これを使って、Cの部分と赤い三角形の比率を求めます。数字は丸めてあります。
Rのコードと計算結果を示しておきます。
結果は、0.37、 0.74、 1.9、 6.65でした。
図5と図6の値では、 1.9、 6.65になります。
これから、実際の陽性者数の2倍から6倍くらいの陽性者数がいる可能性があることになります。
これは、ラフなモデルなので、経路不明者の割合などを考えてもよいかもしれません。
実際に、少なくとも、把握できている陽性者数の約2倍(1.9倍)の陽性者が健康保菌者として動き回っているという仮説は、さほど不合理とは思われません。
実行結果
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calculation of b
y=ax+b a=c(-0.0009,-0.0006,-0.0003,-0.0001) x=3500 y=10 (b=y-ax) [1] 13.15 12.10 11.05 10.35
calculation of y7000
x=7000 (y7000=a*x+b) [1] 6.85 7.90 8.95 9.65
calculation of xc
y=0 (x=(y-b)/a) [1] 14611.11 20166.67 36833.33 103500.00
calculation of triangle area
(s=(x-7000)*y7000/2) [1] 26068.06 52008.33 133504.17 465612.50
calculation of ratio
s0=7000*10 (ratio=s/s0) [1] 0.3724008 0.7429762 1.9072024 6.6516071
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都内の最新感染動向
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