darktable3.4のカラーキャリブレーションモジュールの効果(2)

カメラの色表現の改善効果

darktableのカラーキャリブレーションモジュールで、色表現の幅が大きく広がりました。デジカメが1台しかない場合には、良い悪いは問題外で、それを使うことになります。これに対して、センサーの性能が上がったので、そろそろ買い替えようとか、今までのデジカメがかさばるので小型の機種を追加購入しようとすると機材の数が増えます。大概は、新型になるとセンサーが改良されて、解像度があがりノイズの量が減るので、満足できるのですが、新機種になじめないこともあります。その大きな理由は、筆者の場合には、操作性と色表現です。ソニーのRX-100は、ソニーの1インチコンデジの最初のモデルです。評判もよく、後継機種が出て、値段がさがった時に購入しました。操作性は悪くはないと思いますが、操作メニューは自動モードが複数あったりして混乱しています。しかし、問題は色表現です。ずっと後になって、色表現が良くない原因には、オートホワイトバランスの精度が悪いことが多く、マニュアルで、ホワイトバランスを設定すればかなり、改善することがわかりしました。気づいたころには、別の機種をメインに使っていましたので、基本的には、お蔵入りすることが多い機種です。とはいえ、この機種は、サイズがとても小さいので、携帯機材を最小限にしたいときには使うこともあります。

今回は、、RX-100を例に、色表現で使っていなかったデジカメが、カラーキャリブレーションモジュールで使えるようになるかをテストしてみます。

写真1は、最近カメラのテストによく使う乙戸沼公園の風景です。これは、RX-100 のRAWファイルをdarktableで読み込んだ状態です。露光だけは、撮影時に-0.7EVで撮っているので、補正してあります。確かに、1インチなので、センサーサイズの小さなコンデジよりはしっかり写っていますが、やはり色がさえません。Jpegですと、カラーモードを標準から変化させることで、若干の改善がみられることもありますが、経験的には、その変化量は小さく、あまり大きな改善は期待できません。ここでは、RAWファイルのみを保存していますので、その方法はとれません。

写真2は、カラーキャリブレーションモジュール等を使って現像したものです。写真1からは想像できないような多彩な色表現になっています。なお、写真1ではレンズ補正をかけていませんが、写真2ではレンズ補正をかけたため、写真1と写真2で、画角が少し変わっています。

写真3は、写真2にHDR風の味付けをしてものです。これはローカルコントラストモジュールのdetailとmidtone rangeのスライダーを操作することで調整できます。

写真4は、木と空の風景です。これは、空の雲の表現が面白かったので撮影した写真です。主題は、木と空の雲のコントラストを印象的に表現することです。写真4は、RAWを読みこんだ後で、露光を調整し、レンズ補正をかけています。色合いは、やはり今一つです。

写真5は、HDR風に、ダイナミックレンジを下げた画像です。いわゆるHDR風の画像は、実際に編集してみるとわかりますが、ベースカーブを使ったようなダイナミックレンジが狭い画像になります。フィルミックRGBモジュールでダイナミックレンジを広げると、中間トーンが表現されて、のっぺりした画像になります。写真5は、写真4に比べて、雰囲気のある画像に仕上がっています。

写真6は、写真5とは逆に、ダイナミックレンジを広げた画像です。画像の細部がよくわかります。写真4と比べれば、多彩な色表現になっています。

まとめると、カラーキャリブレーションモジュール等を使って現像すると非常に多彩な色表現が可能になります。今まで、色合いが自分の感覚とずれがあって、使っていないデジカメも復活できるかもしれません。

 

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写真1 乙戸沼公園

 

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写真2 乙戸沼公園

 

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写真3 乙戸沼公園

 

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写真4 木と空

 

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写真5 木と空

 

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写真6 木と空