darktable3.4の最大の改善点は、カラーキャリブレーションモジュールです。今回は、カラーキャリブレーションモジュールで、何ができるかを試した結果を示します。
カラーキャリブレーションモジュールの大きな特徴は、サンプルエリアに合わせて、自動的にパラメータ設定ができること、ホワイトバランスモジュールと異なり、マスクが使えることです。
写真1は、ログハウスのレストランです。ここでは、光源は、電灯(ランプ)と窓の外からくる自然光(太陽光)です。写真1は、カメラのホワイトバランスを使っています。
写真2は、窓の部分をサンプルエリアにして、カラーキャリブレーションモジュールでパラメータを自動設定したものです。まどの部分の白色が明確になっています。ただ、写真1と比べると、画面全体が、若干白くなっています。
写真3は、窓の部分をマスクにして、カラーキャリブレーションモジュールでパラメータを自動設定したものです。窓は白く、その他の部分は深みのある茶色に仕上がっています。実は、ここで使ったマスクは手を抜いて、楕円を使っています。よく見ると、窓の周辺に楕円形に色が変わっているエリアが見えます。また、このマスクは大きな窓にだけかけていて、左側の小さな窓にはかけていません。写真3で、左の小さな窓の色が右の大きな窓と異なるのは、このためです。
写真4は、ホテルのロビーで、カメラのホワイトバランスを使っています。全体に、青白く、色がさえません。このロビーでは、天井の照明は白熱灯に近い色合いです。一方、左側のお土産屋さんのブースだけが、蛍光灯照明になっています。
写真5では、画像全体をサンプルエリアにして、カラーキャリブレーションモジュールでパラメータを自動設定したものです。全体は自然な色合いに変わっていますが、お土産屋さんのブースも暖色系の光になっています。
写真6では、お土産屋さんのブースにカラーキャリブレーションの楕円形のマスクをかけています。こうすると、お土産屋さんのブースは白い光で、その他はオレンジ色の光の画像が出来上がります。
写真7は、テヘランの夜明けです。この画像では、夜明けの日の光と街灯の2種類の光源があります。写真7はカメラのホワイトバランスを使った画像です。
写真8では、街灯の部分に、カラーキャリブレーションのマスクをかけています。こうすると、街灯の部分と、空の部分が、それぞれ独立した色合いになります。
まとめ:このように、カラーキャリブレーションのマスクを使うことで、今までは不可能であった、画像の色表現が可能になります。