12月第4週の東京都の感染者数のまとめ~コロナウィルスのデータサイエンス(169)

12月の第4週も終わるので、今週の12月26日までの感染者データをまとめておきます。

Google Transitデータも更新しました。

Googleの予測データも、12月16日版(図1)を12月23日版(図2)に更新して、これも7日移動平均をEstimatedでプロットしてあります。

先週の東京都の検査データは、検査数が直近7日平均6,582.6人、陽性率が直近7日平均6.2%でした。

今週(24日)の東京都の検査データは、検査数が直近7日平均7,894.4人、陽性率が直近7日平均7.9%です。

検査数、陽性率とも1週間で増加しています。

陽性率の使い方の一つに、検査数のチェックがあります。陽性率が高いことは、把握されていない感染者が多くいることを意味するので、陽性率が一定値に下がるまで、検査数をふやすべきであるという使い方です。

検査数7,894.4人、陽性率7.9%を使うと、推定感染者数は、623.65人になります。この感染者数で、仮に陽性率が5%とすると、必要な検査数は、12473人になります。

この人数12473人は、(12473-7894=)4579人に追加検査をして、陽性者数がゼロの時の陽性率に合わせた数字に等しくなります。つまり、実際には、追加検査の4579人の陽性率は、7.9%より低くなりますが、ゼロにはならないので、より多くの検査が必要になります。大まかに考えても、7,894.4人の2倍でも足りなでしょう。

次に、グラフを見ます。

図1が、12月16日版のGoogleの予測値と、東京都の感染者数、経路不明感染者数です。

図2が、12月23日版のGoogleの予測値と、東京都の感染者数、経路不明感染者数です。

行動制限率は、若干下がり気味です。

Googleの12月30日の予測値は12月2日版の720人が、12月9日版予測版では700人に下がり、12月16日版では760人に増加し、12月23日版では789人にさらに増加しています。

図1と図2を比べると、予測値が大きく上向きに転じています。1月4日までの推定値はタイムラグを考えれば、ほぼ確定です。図2では、1月10日以降に、感染者数の増加傾向が止まります。これは、期待される年末年始の行動制限の効果と思われます。簡単に言えば、1月10日ころまで、感染者数は増加して、その後、停滞します。年末年始の行動制限要請は、感染者数の増加に歯止めをかけますが、減少させるまでの効果はないと予測しています。

Google Transitデータを見る限り、行動制限はかなり守られています。ただし、感染がいったん拡大してしまったので、少々の行動制限の増加では、感染を減らすことはできなくなっています。

図3は、7日移動平均感染者数の前日との差分です。12月24日頃までは、前日比10人増加を中止に変動していましたが、25日と26日は、30人ずつ増加しています。

図2をみると、1日30人という増加速度はかなりおおきく、これが続くと、感染者数は図2のGoogle予測を越えてしまいます。ですから、あと2、3日の感染者数の増加速度に注目する必要があります。

 

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図1 東京都の感染者数の推移(左軸:人、感染者数、経路不明感染者数、右軸:%、Google Transitデータ、12月16日版Google予測データ)

 

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図2 東京都の感染者数の推移(左軸:人、感染者数、経路不明感染者数、右軸:%、Google Transitデータ、12月23日版Google予測データ)

 

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図3 東京都の新規感染者数の差分

 

 

  • COVID-19 感染予測 (日本版) 12月23日版

https://datastudio.google.com/reporting/8224d512-a76e-4d38-91c1-935ba119eb8f/page/4KwoB?s=nXbF2P6La2M

  • NHK特設サイト

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/

  • 都内の最新感染動向

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

https://www.google.com/covid19/mobility/ Accessed: <2020.12.26>12-24version.