クリティカルシンキングからみた日本のコロナ対策~コロナウィルスのデータサイエンス(167)

可能なコロナ対策シナリオは3つしかない。

コロナ対策のシナリオは3つしかありません。

  1. 感染源をゼロにする。新規感染者数をゼロにする。

  2. 死亡者をできるだけ抑えながら、感染を広げて、集団免疫を獲得する。

  3. ワクチン接種によって、感染しても、発病しないようにする。

おそらく、日本で採用されている対策は3番目と思いますが、その場合には、まず、ワクチン接種計画があり、その時期までに、感染が拡大して医療崩壊しないように、逆算した目的とする許容感染者数を設定する必要があります。実は日本では、ワクチンの接種計画がないままに、適当に、感染者数をみて、リスク判断をしていますが、これは無謀です。つまり、ワクチン接種までの間、感染拡大を押さえ続けられるかは、期間の長さや、医療従事者のひっ迫の関数です。期間が長くなればなるほど、感染者数を小さく抑えなければならないはずです。

感染者数を押さえるために可能な対策は2つしかない。

  1. PCR検査等で感染者を把握すること

  2. 確認された感染者を隔離すること

春ごろから、PCRが感染を拡大するというわけのわからない議論がありました。感染を押さえるためには、感染者のデータを収集すること、そのデータに基づいた対策(隔離)しかありません。

PCR検査が無料の国や地域はかなりあります。日本はPCR検査は無料にしませんでした。その結果、民間のPCR検査が多数出てきています。新聞では、民間の検査の精度が良くない場合があるといったわけのわからない記事があります。民間のPCR検査の場合には、そのデータが把握できているのでしょうか。東京都のPCR検査数をみると過去よりは、増えていますが、爆発的に増えているわけではないので、民間のPCR検査のデータが全て把握されているとはとても思えません。データサイエンスでは、データがとれて、スタートラインですから、PCRのデータが全て把握できていない場合には、スタートラインにつけなかったことになります。この点に不安があります。陽性になった場合には、公的機関の検査を再度受けるのでしょうか。その場合には、陽性率のデータにバイアスがかかるので、それを補正する必要が生じます。