バルブというのはシャッターボタンを押している間だけ、露光し続けるという撮影モードです。シャッター速度の最長は60秒までのカメラが多く、それ以上はバルブ(BULB)と表示される機種が一般的です。フィルムカメラ時代には、レリーズといって、中空のパイプにワイヤーが入った機械式リモートシャッターボタンを使うことが一般的でした。デジタルカメラになって、電気式の有線または無線のリモートシャッターボタンが使われていましたが、2013年ころからは、スマホをリモートシャッターボタンにする方式が普及しています。
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機械式レリーズ
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有線電気式リモコン
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ワイヤレス電気式リモコン
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スマホのリモコンアプリ
バルブの場合には、シャッター時間をカメラ側で設定する場合と、リモコン側で設定する場合があります。伝統的なレリーズの設計思想では、シャッター時間はレリーズを押す人の自由で、カメラメーカーは関与しないというものです。シャッター時間の設定方法には次の3種類があります。
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シャッターボタンを押している間だけ露光する。(レリーズと同じです)
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一度目のシャッターで露光を開始し、2度目のシャッターで、露光を停止する。
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シャッターを開けている時間を入力する。
恐らく、1.2.の方法では、リモコンがないと手振れします。リモコンがあるのであれば、それらの機能は、リモコンにつけて、カメラ本体は何もしない機種もあります。キャノンとフジフィルムの手持ちの機種は、このパターンでした。本体に、3.があれば、タイマーと併用すれば、リモコンなしでも三脚があれば長時間露光写真が撮れます。ただし、手落ちのカメラでこの機能があるのはニコンだけでした。パナソニックのカメラは、バルブ表示はなく、T表示で2.だけをサポートしていました。ただし、最長露光時間は1分のカメラと2分のカメラがありました。フジフィルムの手持ちのカメラのBULBの最長露光時間は60分でした。フィルム時代であれば、最長露光時間には制限はないのですが、デジタルカメラの場合には、長時間露光の場合には、ノイズ低減フィルターをかけるので、最長露光時間の制約があるようです。
ともかく、メーカーや機種により、制約の範囲がばらばらなので、長時間露光を考えてカメラを購入するのであれば、事前にチェックが必要です。
オリンパスは、1.と2.をサポートしていますが、3.はサポートしていないので、リモコンは必須です。特殊なのは、1.を「ライブBULB」、2.を「ライブTIME」と呼んでいるのですが、経過時間に伴う露光の変化をカメラのモニターでリアルタイムにチェックできる機能がついていることです。他のメーカーのカメラでは、シャッターが下りて、長時間ノイズ除去がおわって、画像が保存されてから、初めて、出来上がった画像がチェックできます。つまり、モニターを見ながら、このあたりで、露光は十分だろうと判断して、シャッターを閉じることができます。すべての機種で、「ライブBULB」と「ライブTIME」の2つの機能がついているわけではないようですが、比較的よくつかわれる「ライブTIME」は、いつも使っているPL-6にもついていることがわかりました。
長時間露光には問題もあります。写真1はキャノンのコンデジで撮影したイランのテヘランの夜景です。露光時間は15秒です。BULBを使うよりも短い時間ですが、全体が夜とは思えないほど明るくなっています。ここでの撮影の目的は、自動車のライトの軌跡をきれいに描くことだったのですが、ライトだけでなく、全体が明るくなっています。
オリンパスはライブが好きで、機種よっては、「ライブコンポジット(比較明合成)」ができます。オリンパスのカメラを持っている場合には、この機能がついているか、チェックしてみましょう。
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比較明合成フリーソフト SiriusComp