月光富士写真の課題(2)

今回掲載する写真は5枚です。最初の3枚は、ISO感度が高すぎて、失敗の写真です。あとの2枚は、ISO200で固定で撮影しました。本来ならば、三脚が必要なのですが、今回は、テラスの手摺の上にカメラを置いて撮影しました。ISO200というのは、前回申しあげましたように、偕楽園の夜景で、トラウマになってしまったからです。しかし、後から考えると問題もありますので、その点は、今回の後半と次回に述べます。

とりあえず、実例を示して、考察は次回にします。

写真1は(ISO2500、 F2.8、 1sec)です。ノイズがのっていますが、条件が悪いので、この程度写ればという見方もできます。撮影したレンズのF値は通しで2.8なので、通常は絞り優先でF2.8をよく使います。この画像は、恐らく、何も考えずに、絞り優先で撮影したものです。

写真2は、(ISO5000、 F7.1、 4sec)です。これは、プログラムモードで撮影しています。カメラは手すりの上において、シャッター速度は4秒ですが、ISOが5000まで上がってしまって、ノイズがのっています。

写真3は、(ISO6400、 F2.8、 1/6sec)です。これは、絞り優先で、手持ちで撮影しています。これは、ISO6400なので、ノイズがのってつかえません。

ここで、ISOが上がっていることに気づきました。そこで、以下は、ISO200に設定した画像です。

写真4は、(ISO200、 F2.8、 20sec)です。マニュアルモードでの撮影です。マニュアルモードでは、ISOを固定して、シャッタースピードと絞りをマニュアルで合わせると、絞り優先モードでは、露光バイアス量を示すインジケータが、マニュアル設定での露光を表示します。つまり、露光が適正かどうかは、インジケータでチェックできます。ここでは、F2.8を設定したので、それに合わせて、シャッタースピード20秒を選びました。

写真5は、(ISO200 、F3.2、 60sec)です。設定できるシャッタースピードで最長は60秒です。ここでは、60秒をまず設定して、次に、F値を合わせました。

以上のなかで、使える写真は、写真4か、写真5になるわけです。つまり、ISOをマニュアルで小さめに設定することは効果が大きかったわけです。写真4と写真5を比べると、写真5の方がくっきりしています。これは、絞りの1段分、F2.8をF3.2に変更した効果が大きかったことを示しています。昼間の風景写真では、Fは大きい方がくっきりしますが、デジタルカメラでは、絞りすぎるとセンサーによる回析がおこるのでF11またはF8が推奨されます。夜間では、絞ると時間当たりの光の量が減るので、Fとシャッター速度とISOのバランスは難しい問題とおもいます。夜間写真の本で、推奨の組み合わせを掲載している本もありますが、センサーの性能が進歩しているので、一概には言えないと思います。絞って、シャッター速度を伸ばす方法もあります。写真5では、星が軌跡を描いています。ニコンの「Photographing the Night Sky」では月は動くので、月を撮影する場合には、シャッター速度は1/15秒以下にすべきだと書かれています。写真5の月が、写真4の月より大きいのは、月が移動したためと思われます。

 

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写真1 ISO2500 F2.8 1sec

 

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写真2 ISO5000 F7.1 4sec

 

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写真3 ISO6400 F2.8 1/6sec

 

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写真4 ISO200 F2.8 20sec

 

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写真5 ISO200 F3.2 60sec