フィルミックRGBの利用
最近ははやらなくなりましたが、一時期はHDR風画像に人気があり、デジカメには画像をHDR風にするフィルターがついたものが多くなりました。キャノンのEos Kiss Mにも、3枚の画像を使って、HDR画像を作る専用モードがついています。
HDRに限らず、今後のデジカメの本流は大型センサーではなくマルチショットだろうと考えていますが、現時点では、デジカメのマルチショットには、まともなコンテナがありません。
おそらく、マルチショットの標準コンテナがないためと思われますが、現状では、darktableもマルチショットに対応しているとはいえません。
というわけで、今回は、1ショットでHDR風の画像に仕上げる方法を検討してみます。
前回申し上げましたように、フィルミックRGBはHDRとは逆に、中間トーンを重視した設計になっていて、フィルミックRGBだけで、HDR風画像は実現できません。しかし、通常のHDR風画像は、ベースカーブを使いますので、暗部のデータが強く圧縮されてしまいます。フィルミックRGBでは、その部分は制御できますので、HDR風に加工するときに、メリットがあるかもしれません。
写真1のように、ルックタブでコントラストとラチチュードを目いっぱい左に振ります。
写真2のように、シーンタブで、白と黒の相対露出スライダーを調整して、ヒストグラムがちょうど収まるように調整します。
HDR風にした、写真3から、写真6は、次の手順で、写真1と写真2の後に行った処理です。
写真1->写真2->写真3
写真1->写真2->写真4
写真1->写真2->写真5
写真1->写真2->写真6
写真3は、トーンイコライザーによるHDR風画像の作成例です。トーンイコライザーモジュールの中のヒストグラムに注意して、データのある部分の露光を変更します。
写真4は、シャドウとハイライトを使ったHDR風画像の作成例です。
写真5と6は、トーンカーブを使ったHDR風画像の作成例です。トーンカーブは微妙な調整で色が変わるので、調整は難しいです。