darktableの基本ワークフロー(1)

12月に入りました。クリスマスには、darktableの新しいバージョンが出るはずなので、3週間後には、新機能への対応で、忙しくなるはずです。

さて、その前に、整理しておくべきことは何かと考えたのですが、darktableの基本ワークフローでは、シーン参照、表示参照とJpeg編集に分かれます。シーン参照ワークフローの基本は、フィルミックRGBなので、フィルミックRGBをきっちり整理しておくことが、クリスマスまでの課題として、良いと思いました。

こうしたブログ形式で記事を書くと、書き足しが続くので、新規の読者が途中から入りにくい難点があります。そこで、本丸は、フイルミックRGBなのですが、今回は、Jpeg、表示参照ワークフローと順を追って説明してみることにします。この方法で、うまくいけば、新たなdarktableユーザーが理解しやすい解説になるはずと思います。なお、ここでの説明は、ワークフローの違いを反映するRAWからJpegへの変換の部分だけに重点をおいています。クロップなどの、どのワークフローでも共通の部分は扱いません。

Jpegのワークフロー(1)

正確にいいますと、darktableには、Jpegのワークフローは存在しません。これは、darktableはRAWファイルをJpegファイルに変化するソフトだからです。とはいえ、古い写真では、画像データをRAWではなく、Jpegだけでしか保存していない場合も多くあります。Gimpで読み込んで、編集してもよいのですが、Jpegの編集のためにだけ、ソフトの使い方を学ぶことも大変です。そこで、なんとかごまかして、darktableでJpegを編集するというのが、Jpegのワークフローの意味です。

今回は、個別のモジュールを使う方法を述べ、基本調整モジュールを使う方法を次回に述べます。基本調整モジュールは、darktableには、自動調整モードがないというリクエストに応えるモジュールですが、これは、従来のモジュールの美味しいところをコピーしてかき集めて、自動モードを追加したモジュールです。1か所にいろいろな機能が集まっていて便利ですが、基本調整モジュールのスライダーを動かすことは、コピー元のモジュールのスライダーを動かしたことになる点に注意して操作する必要があります。

さて、個別モジュールで操作する方法を説明します。

写真1は、読み込んだJpeg画像の露光を調整しています。このモジュールは露光が極端に低い場合以外は使わないと思います。

写真2は、トーンイコライザーです。RAWファイルの場合には、露光のゾーンごとに露光調整ができる非常に便利なモジュールですが、Jpegでは、露光のゾーンごとの操作ができませんので、このモジュールは使ってはいけません。注意喚起のために、のせています。

写真3は、コントラスト・輝度・彩度モジュールです。実が、Jpeg編集の8割はこのモジュールでできますので、基本は、このモジュールだけで編集すればよいと思います。

写真4はシャドウとハイライトモジュールです。ハイライトとシャドウがつぶれているときに回復させるモジュールです。これも、Jpegでは、ハイライトは使い勝手が悪く、もっぱら、シャドウの修正に使うことになると思います。

 

なお、この写真は2008年発売のEos Kiss X2APS-C)とキットレンズで撮影したものです。画像数は1220万画素です。このころは、RAWは考えられず、もっぱらJpegで撮影していました。しかし、今回編集してみて、あまりに、編集できる幅が狭いのに驚きました。APS-Cの大きなセンサーは、暗い所でも、ノイズが乗りにくいです。しかし、明るいところでは、コンデジAPS-Cの差は出にくくなります。このカメラは借り物だったので、この撮影の後は使っていませんが、おそらく、2010年発売のキャノンのPower Shot G12(1.7型)1000万画素や2013年のニコンのP-330(1.7型)1219万画素のなどの今はなくなってしまった1.7型のコンデジのRAWの画像の方が編集に対する耐性が高いと思います。

 

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写真1 露光

 

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写真2 トーンイコライザー

 

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写真3 コントラスト・輝度・彩度

 

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写真4 シャドウとハイライト