極上の焼き芋の焼き方(48)

基本に返る(1)

試行錯誤方式が続いたので、問題点を整理しておきたいと思います。

美味しい焼き芋を焼くための要素は以下です。

  • 美味しい芋の仕入

  • 適切な加熱法

仕入れ法は前回までに述べたので、後者の加熱法を整理します。

今回は、まず、具体例の事例研究から始めます。

事例研究

焼き芋の焼き方にこだわり始めたのは、オーブンレンジのマニュアルのレシピで、まともな焼き芋が出来なかったことが原因です。自動モードか、マニュアルモードになりますが、自動モードの調理方法(加熱時間と温度)の説明はないので、マニュアルモードを参考にして考えますと、250度くらいの高温で、比較的短時間で焼くレシピになっていますが、焦げて硬い焼き芋しかできません。

カーナビのルート選択には、時間短縮優先、有料道路を使わないなどの条件設定ができます。電気炊飯器にも、食味優先モードと時短モードがあります。高温で焼き芋を焼くのは、時短モードに相当して、食味は落ちているように思われました。

そこで、オーブンのデフォルトである170度で90分から120分程度加熱したところ、マニュアルとは比較にならないほど美味しい焼き芋が出来ました。最初は、これで満足していたのですが、サツマイモの生産者を変えた場合や、サイズが2L以上のサツマイモではうまくいかないことが分かりました。また、この方法では、サツマイモの両端の部分が乾燥しすぎて、固くなる欠点がありますが、アルミホイル袋に入れることで、この問題は回避できることが分かりました。ただし、食感は、普通の焼き芋とは異なります。

かいつかのレシピ(1)

焼き芋の仕上がりは、芋の選択と、焼き方の2つで決まります。これが、問題を複雑にしている要因です。そこで、ブランドのサツマイモを使い、ブランドのレシピを使うところからスタートしてみます。

以前にも紹介したかいつかのレシピは以下です。


  • 焼き芋の焼き方(袋に記載の方法)

さつまいもをそのままオーブントースターに入れ、途中1から2回ほど裏返しながら50から60分焼く。洗った後しっかり乾かしてから焼くと、更に美味しく召し上がれます。お使いの調理機器やサツマイモの個体差によって異なりますので、竹串を刺して中まですっと通るくらいを目安に、柔らかさを確認しながら加熱してください。


 

非常に簡潔に書かれていますが、よく読むと、ヒントに富んでいます。

第1に、オーブントースターですが、これは、オーブンより簡便であるという理由で選ばれた可能性と、オーブンよりもオーブントースターの方が美味しくできるために選ばれた可能性があります。というのは、オーブンは、熱風で温めるのに対して、オーブントースターはヒーターのランプがついています。つまり、ヒーターのランプで温めるほうが、石焼き芋の加熱に近い条件が再現できます。価格の高いオーブンレンジが、より安価なオーブントースターの機能を包含しているように思われがちですが、必ずしもそうではありません。また、そこまでは想定していないと思いますが、最近のオーブントースターでは、近赤外と遠赤外の2本のヒーターを備えた機種も出てきています。ここまでくると、オーブンでは、焼き芋は焼かない方が良いのかもしれません。

第2は、竹串で、火の通り具合をチェックする点です。実は、焼き芋の火加減は非常にデリケートです。同じ重さの芋でも形で火の通り方が違います。筆者は、芋を押さえて硬さをチェックする、焦げ目のにおいが出たら火を止めるなどの処置をしてきました。竹串で管理する方法は、簡便ですが確実です。

今回は長くなったので、続きは次回にします。