RCEPはWTOの二の舞ではないのか

中国が、RECPに入ったというニュースが入ってきました。更に、TPPにも前向きであるというニュースも入っています。

新聞は、関税撤廃になるということで、歓迎ムードの記載です。

しかし、WTOに中国が参加した時のことを思い出せば、今回のRCEPはWTOの二の舞になる可能性があります。

WTOに中国が参加したときにも、アメリカは、中国がすぐにではなくとも、時間の問題で、WTOのルールに従うと思っていました。しかし、トランプ政権の時に、「いつかはルールに従う」という判断は誤りであったとされました。この方針は、恐らく、バイデン政権でも引き継がれると予想されています。

WTOのルールに従わないことが、Googleが中国から撤退した理由です。中国では、米国のIT企業を追い出して、自国の企業を優先にしてきました。このようなルールが守られない場合に、打つ手があるかということが重要な視点です。トランプ政権の関税政策が良いとは言えませんが、何らかの対抗策を準備する必要があります。

外交のルールは、ある種の均衡の上にできたものです。欧州の外交ルールは、勝者のはっきりしない戦争が続いたあとで、出来上がったものです。アフリカなどの新興国の持っているルールは、欧州ルールとは異なっています。WTOのルールはある意味では、アメリカの圧倒的な軍事力の下に有効化されたルールです。

RCEPの文言と実際の運用には、アメリカのような圧倒的な存在が欠けているので、また違ったルールの順守のされかたがなされると思います。

具体的に、どのようなものかは現時点では不明ですが、例えば、韓国や北朝鮮との外交の状況を考えればイメージできるようなものになる可能性が高いと思われます。

中国は、実際には、戦争の準備をしているとも言われています。実際に戦争になれば、外交のパワーバランスは大きく変化します。

そこまで考えたうえで、RCEPをどう使っていくのかという覚悟が必要と思われます。

 

 

  • 中国、「戦争準備」本格化 制服組トップ、態勢転換に言及―台湾などの緊張にらむ 時事通信 11月16日

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020111500201&g=int