11月第3週の東京都の感染者数のまとめ
11月第3週も終わるので、今週の11月21日までの感染者データをまとめておきます。
Google Transitデータも更新しました。
図1に見るように、東京都の感染者数、経路不明感染者数共に増加しています。既に第3波であることは確定なので、ここでは、今後の予測を考えます。
過去の実績をみると、日によって検査数が異なるため、7日平均値に対して、0.5から1.5倍くらいの変動があります。
専門家委員会は、指数的な増加が今後も続くとして、1か月後に1000人という数字をだしていますが、Googleの予測では、11月25日頃までは線形に増加し、その後は増加率がいったん低下して、12月に入ると、再度増加率が増えます。変化率は線形です。
ただし、何度も申し上げているように、2週間後までは、タイムラグ効果が効きますが、その後の予測は、対策によって変化します。つまり、この2種類の数字の意味は大きく異なります。
仮に、11月末の平均感染者数を500人とした場合には、250人から750人の間で変動しますが、1000人を越えることはなさそうです。
21日の16時から「新型コロナウイルス感染症対策本部」が開かれ、その資料が公開されていますが、驚くべき資料です。
コロナウィルスに直接関係するグラフは3枚だけです。しかも、この3枚には非常に多くの問題があります。
数字が山のように書かれていますが、委員会の時間を考えたら、数字が使われることはないので、ここでは、グラフだけで、何がわかって、どんな政策が選ばれるかという視点で見ています。
グラフには、現在までの実測値しか表示されておらず、今後の予測値がありません。対策の効果が出るのは2週間後ですから、2週間後をどうするかという視点で、検討が進められる必要があります。こうした視点は全くありません。
グラフは、日本全体の合計値しか載っていません。対策を考える上で問題になるのは、医療体制と感染者数のバランスにより、クリティカルになる都道府県のはずです。日本の合計値や平均値には対策を決める指標にはなりません。文字では、4都道府県がクリティカルであるように書かれていますが、裏付けるグラフがありません。
推奨する対策の効果が予測されていません。4人以上の集会の禁止や、Go Toの中断について、判断が分かれているのですが、この資料を使えば、問題が起こることは必須です。
菅首相は、富岳のマスクのシミュレーションに言及されているようですが、モデルは検証されなければ、確かとは言えません。筆者は、マスクの効果は限定的であると考えています。というのは、医療機関でクラスターが多数発生しているからです。マスクが効果があるという仮説は、この現象を説明できません。マスクが、顔に縫い付けてあれば効果はあるかもしれませんが、マスクはかならず外すときがあります。そのわずかな時間に感染していると考えないと、医療機関でのクラスターの現象は説明できません。
4人を越える集会とか、マスクとか、過去の対策で効果があれば、感染拡大は起こっていないはずです。過去の対策で、効果のあったものと、効果のなかったものを再評価して、対策を改善する必要がありますが、まったく行われていません。
第47回(令和2年11月21日開催)資料
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/taisaku_honbu.html
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COVID-19 感染予測 (日本版) 11月18日版
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NHK特設サイト
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/
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都内の最新感染動向
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/
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Google Mobile Report
https://www.google.com/covid19/mobility/ Accessed: <2020.11.21>11-20version.