コロナウィルスのタンクモデル~コロナウィルスのデータサイエンス(147)

コロナウィルスのクラスターが青森県にも飛び火しました。GoToで人の移動が広がれば、感染は拡大します。指数関数型の感染増加モデルには、この人の移動は入っていません。このことを今まで文章で書いていたのですが、分かりにくかったと思います。

今回は、筆者の考えている感染モデルのイメージがわかるようにタンクモデルの図に表現してみました。モデルは、東京都と青森県だけを示していますが、47都道府県分のタンクがあるイメージです。細かい点については、都道府県の数のように、修正が必要ですが、コロナタンクモデルの図をみていただければ、微分方程式の素養のある人であれば、言わんとすることは理解してもらえると思います。また、微分方程式の分からない方でも、タンクですから、感染拡大のイメージが理解できると思います。

コロナタンクモデルの図で、拡散項に相当する接触による感染は、オレンジ色の矢印で示されています。青い矢印で示されている部分が移流項に相当します。GoToのリスクを評価するには、青い矢印の部分のモデル化が必要になります。

タンクの水がストックで、タンクからの流出はフローです。これは、移流項になります。移流の大きさは、タンクの水位とバルブの開度の関数になります。上段のタンクの水は、潜在感染者で、感染しているがチェックにかかっていない人を示します。下段のタンクが顕在感染者で、感染が分かった感染者です。下段のタンクの水の量は、入院患者数+ホテル等での待機者数になります。入院患者数とホテル等での待機者数を分けるには、下段にタンクを並列にする必要がありますが、こうしたチューニングは難しくないと思いますので、ここでは、分かりやすさを優先して、一番、簡単なモデルの図を作っています。

 

 

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図1 コロナタンクモデル