パナライカのレンズの特性(1)換算30mm編

前回、暗いところでは、目のフュージョン機能が強くはたらき、暗いところも明るいところもよく見えてしまうが、フュージョンの効かないカメラでは、暗いところで、黒飛びが起こることを申し上げました。

これは、明暗についての説明ですが、色も明暗と連動しますので、目で見る色は、極端なコントラストがないけれども、カメラの色では、実際より鮮やかに写ることがあります。フィルム時代には、カメラの方が目より鮮やかに写る原因は、今は使いませんが、晴れた日の屋外撮影には必須のスカイライトフィルターなど、フィルターの効果がありました。実際に、薄目にサングラスをかけてみると色が変わるので、フィルターの効果と考えていました。デジタルカメラになって、フィルターは、偏光とND以外は無用になりました。とはいっても、レンズにより色乗りは違います。手持ちのレンズで、圧倒的に色乗りが良いのは、パナライカのレンズです。写真1は15㎜(換算30㎜F1.8)のレンズのカメラ内現像のJpegです。カメラはオリンパスのPL-6です。実際に見た感じは、水色の空がみえるだけです。パナライカのレンズで撮影すると、目では見えない、オレンジがのって、更に、濃い藍色がでてきます。パナライカの25mm (換算50mm)のレンズでも同様の傾向が見られます。

写真2はRaw現像で、記憶にできるだけ近いカラーバランスにしたものです。実際はこんな風景です。

写真3はRawのカラーバランスを強めに加工したものです。こちらは、明らかに作った色になっています。

パナライカのレンズで撮影すると何げないシーンがドラマチックになります。オリンパス、キャノン、ニコンペンタックスの明るい単焦点レンズでは、ボケは増えますが、ここまで、色乗りが変わることはありません。キャノンなどは肌色がきれいに写る記憶色といわれ、カラーがずれているとは思いますが、色乗りが大きく変わることはありません。

目で見る画像には明らかに忠実ではないので、好みの分かれるところです。

 

 

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写真1 Jpeg画像

 

 

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写真2 記憶に近い画像

 

 

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写真3 カラーバランスを強めにしたRAW画像