フィルミックRGBと光のコントラスト

フィルミックRGBモジュールは、目のフュージョンの特性を反映することができるモジュールです。つまり、バースカーブモジュールでは不可能であった、暗いところも、明るいところもよく見える画像を作り出すことができます。写真1はフィルミックRGBを使って、暗いところも明るいところも見えるように現像した写真です。

人間の目はフュージョンで画像を認識しますが、ダイナミックレンジの広いデジタルカメラでは、RAWファイルにフュージョンに相当する情報が記録されていますが、どのように現像するかは人間の裁量に任されています。

暗いところで一部に光があたった画像が目を引くことがありますが、それは、画像がフュージョンになっていないからです。つまり、人間の目では見ることのない画像であることが印象を強くします。その点では、RAW画像の現像において、どの程度まで、フュージョンを再現するかは選択の問題です。

写真2でもフィルミックRGBモジュールを使っています。変換曲線は逆S字型ですが、写真1に比べるとSが立っています。その結果、暗いところがつぶれてよくみえません。しかし、右の窓に外から入ってくる光の質感が写真2が写真1を凌駕します。

写真3は、トーンイコライザを使って、更に明暗の対比が強調されるように加工したものです。テーブルの上のポットを比べると、写真3のポットは、写真1のポットより強い実在感があります。

写真4は、左が写真1、右が写真3で、比較をしたものです。フュージョンを多用すると目に近い表現になりますが、それが、常に強い印象を与える訳ではない点に注意する必要があります。

 

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写真1

 

 

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写真2

 

 

 

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写真3

 

 

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写真4