昆布だしの取り方

鰹節と並んで、日本料理の代表的なだしは昆布です。よく料理の本にのっているのは、軽く沸騰させて、昆布を取り出すのが、1番だし、1番だしで取り出した昆布を煮詰めてとるだしが2番だしという説明です。

しかしながら、この方法は、昔から行われているというだけで、エビデンスはありません。

昆布は少なくとも江戸時代から続く料亭の山善のレシピには載っていますから、だしとしては、300年くらいの歴史があります。

しかしながら、昆布のだしが一番よく出る温度は70度です。沸騰させるとだしがでなくなります。70度で20~30分くらいおくとだしが出て、だし汁がトロトロになります。これがわかったのは、最近のことで、伝統的な料理本で、この方法を採用しているものはまれです。この方法では、強く加熱しませんので、2番だしのような濁りは生じません。つまり、基本的に1番だしとして使えると思います。

なお、1番だしを取る時に、鰹節と昆布を同時に鍋に入れる方法が普及していますが、この方法では、後で、混合比(ブレンド)を変えられませんので、筆者は、避けるべき方法と考えています。

さて、70度のお湯を作るのがちょっと難しいのですが、最近の電子レンジでは、温度センサーがついていて、温度を設定したあたためが出来ますのでこれが使えます。ただし、精度が悪いので、過信してはいけません。例えば、耐熱ガラス容器に水を入れ、80度に設定して温めても、一部が沸騰することがあります。

電子レンジで、温水を作った後で、温度計でかき混ぜて、温度を確認する方法が確実です。