前回は1/3の法則を使わなかったので、今回は1/3の法則について補足しておきます。
写真1は銀杏の並木の写真です。この場合には、消失点が右端と下端から1/3の位置にありますので、1/3の法則に従っていることになります。ただし、右の黄色に紅葉していない常緑樹は、紅葉の写真としては目障りです。
写真2では、緑色の部分をトリミングしています。ここでは、1/3の法則は崩れています。お習字で字のバランスをモーメントで考えますが、モーメントの点でも破綻しています。つまり、写真2はだめです。
解決策として、マスクを使って、緑の部分の色を変えてみます。
写真3が、色の入れ替え用のパラメトリックマスクです。
写真4が、カラーコントラストを使った例です。マスクの部分に銀杏のような黄色が再現できませんでした。
写真5が、カラーゾーンで緑を銀杏の黄色に近づけた場合です。ここまで、色が似てくると銀杏が引き立ちません。また、不自然な感じもします。
写真6は、カラーゾーンでマスクを使って緑を銀杏の黄色よりも目立たない黄色にしたものです。全体が黄色くなると、銀杏の黄色が引き立ちません。
写真7は、カラーゾーンでマスクを使って緑を銀杏の黄色よりも目立たない赤色にしたものです。銀杏の黄色が引き立ちます。
まとめ
構図からはいって、色の変更に脱線しました。遠近法の消失点を使った、1/3の法則は有効と思います。
写真1の右の緑は、目障りに思ったのですが、こうして比べてみると、銀杏の黄色を引き立てるアクセントになっています。ただし、秋らしさを考えれば、写真7に軍配があがると思われます。