GoToトラベルの危険性~コロナウィルスのデータサイエンス(144)

GoToトラベルの危険性

GoToトラベルで東京から人が移動しているので、そのリスクを考えてみます。

筆者は、接触回避の制御は難しいので、感染者数は移動で左右されると考えています。

 

NHKのサイトでは、都道府県別の直近1週間の人口10万人当たりの感染者数のトップ20が掲載されています。10月5日のデータで、表1の感染者数1(/10万人*7日)の数字です。2019年の都道府県別人口を表1に書いてあります。全国の人口は127443千人です。第20位までの人口の合計は 87333千人です。21位以下の都道府県の人口の合計は40110千人です。

20位までの1日当たり10万人当たりの感染者数と人口から計算した感染者数を感染者数2で書いてあります。合計は478人です。

GoToの影響を次のように仮定します。東京などの感染者数の多い都道府県から、感染者数の少ない都道府県への人の移動に伴い感染が拡大する。ここで、21位以下の都道府県の10万人当たり感染者数が20位の1.0人まで上がって、20位までの10万人当たり感染者数が変化しないと仮定すると、21位以下の都道府県で57人の感染者数が発生することになります。これは、20位までの感染者数の12%にすぎません。概数は、2倍で100人、3倍で150人です。21位以下だけでなく、20位までのリストの下の都道府県では、10万人当たりの感染者数が増加するかもしれません。13位の三重県以下の感染者数は27.4人です。仮に、2倍になっても50人です。

これから、GoToの影響で感染が拡大しても、その効果は直近では、100から200人程度にとどまると思われます。つまり、日本全体の1日当たり感染者数が2倍になる(8月の状況)としても、少し時間がかかると思われます。

ただし、クラスターの発生による問題が起こるリスクはあります。

表1 過去1週間の感染者数

順位 都道府県 感染者数1(/10万人*7日) 人口(千人) 感染者数2(日)
1 沖縄県 11.42 1476 24.1
2 東京都 8.75 13740 171.8
3 神奈川県 4.22 9189 55.4
4 大阪府 4.05 8846 51.2
5 千葉県 3.95 6311 35.6
6 熊本県 3.09 1780 7.9
7 埼玉県 3.01 7377 31.7
8 北海道 2.7 5304 20.5
9 兵庫県 2.2 5570 17.5
10 京都府 2.01 2555 7.3
11 広島県 2 2838 8.1
12 愛知県 1.85 7565 20.0
13 三重県 1.57 1824 4.1
14 宮城県 1.56 2303 5.1
15 群馬県 1.49 1981 4.2
16 山梨県 1.48 832 1.8
17 鹿児島県 1.44 1643 3.4
18 奈良県 1.05 1362 2.0
19 茨城県 0.98 2936 4.1
20 福島県 0.98 1901 2.7
  合計 59.8 87333 478.4
  残り人口 1 40110 57.3

 

 10月5日 新たに確認された感染者数(NHKまとめ)

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/