地方再生と事業評価

新政権になって、また、地方再生の声が出てきています。

地方にお金を落としても、地方再生ができたかは、エビデンスをみないとわかりません。

因果が成立しているかをエビデンスで判断する、これがデータサイエンスの基本姿勢です。

公共事業評価については、民主党政権の時に導入されたシステムが生きのこっているのですが、このシステムはデータサイエンスからみれば、とんでもないシステム以外の何物でもありません。道路や橋などの公共事業については、5年後10年後に追跡調査をするのですが、この時には、道路や橋以外のパラメータの効きが大きくなっていて、道路や橋の効果を分離することは困難です。もっと正確にいうと、5年経っても、10年経っても道路や橋以外のパラメータの影響は無視できるとして、事業評価をしています。交絡条件の塊のようなデータを交絡条件なしと仮定して分析していますから、結果は無意味です。しかし、事業評価をするというガイドラインができてしまいましたので、誰も止められなくなっています。事業評価のために、担当職員が膨大なデータを準備して、委員会をひらいて審議しています。

データサイエンスの科目をとって、この方法で分析レポートを作れば、交絡条件がわかっていないとして落第します。しかし、自治体では、落第レベルの事業評価が今でも行われています。

地方再生のためには、こうした無駄なことに時間と労力を割くのではなく、過去の地方再生政策の効果の評価をしてほしいと思います。