DTPソフトの活用
darktableでRAW画像の編集の説明をしてきていますが、デジタル写真の最終出力はなんでしょうか。おそらく、次のような形態が考えられると思われます。
ここでは、写真編集の結果をWEBで表示していますので、今までは、主に1.を想定しています。
また、3.4.については、基本的に言及していません。これは、ひとつには、windows版のdarktableにプリントモジュールがまだ移植されていないこともあるのですが、本質的には、画面の方が、印画紙よりダイナミックレンジが大きいことに関係しています。言い換えますと、画面で確認して、一番いい写真に仕上げても、紙に印刷すると一番いい写真にはなりません。最終的に、印刷結果を見ながら、細部調整する必要があります。
今回は2.または、3.を想定します。なお、紙媒体に合わせた色調整はおこなわず、画面で調整した画像を最終画像と考えます。
DTPソフトの選択
DTPソフトには、PDFのようにレイアウト固定の方法とepubのように、レイアウト固定でない方法があります。
レイアウトが固定されない場合には、スマホ、タブレット、パソコンなど大きさの異なる画面に対応できる利点があります。とはいえ、この柔軟性は文字に対してで、画像に対しては問題が多くあります。たとえば、この原稿は、マークダウン・エディタで書いています。エキスポートは、HTML,epub,PDFなど多くのフォーマットをサポートしています。文書のフォントの大きさは一括で変更できますが、画像の大きさは一括では変更できません。大きなサイズの画像を扱わなければ実用上の問題はないのですが、大きな画像をあつかうと、レイアウト固定のPDFに自動変換すると1ページに画像が1つといった、レイアウトの破綻が起こります。
アルバムの場合には、写真サイズが大きくて、レイアウトが出来を左右するので、レイアウト固定のPDF出力ができるソフトが適していると思われます。
普及度を考えれば次が候補になります。
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OpenOfficeのImpress
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Scribus
1.2.はプレゼンテーション用のソフトでDTPソフトではありません。
3.はフリーのDTPソフトです。なお、商用のDTPソフトもありますが、アルバム1,2冊を作るために購入するのは割が合わないので、DTPを職業としているプロ以外は選択肢になりません。
3.のソフトの説明には、おもにDTPソフトがワープロとどこが違うかが書いてあります。
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300dpiの画像品質とチェック、文字フォントの埋め込み
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余白のないPDFの作成
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全体のデザインの統一
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文字フレーム間のリンク
現在のパワーポイントは、330dpiで出力ができます。また、余白のないpdfはエキスポート機能を使ってPDFをつくれば作成可能です。文章を多用する場合には、テキストボックスの間のリンクは必須ですが、現在のバージョンではこれもできます。
ということは、DTPソフトではなく、パワーポイントで十分と思われます。
今回はここまでにします。次回はパワーポイントを使った実例と注意点を取り上げます。
最近のパワーポイントが思ったより機能強化していたので驚きました。