ワクチンに先行者の利益はあるか?~コロナウィルスのデータサイエンス(132)

ワクチンに先行者の利益はあるか

ワクチンの話が、出てきているので、次の関心事はどの国が最初に出口に達するかに、なってきているように思われます。

中国は、それなりに、感染者を抑えていますが、通常の経済活動がどこまでできているかは不明です。この状態は出口ではないでしょう。出口は、ワクチン接種が広く行われた場合と思われます。

人道的には許されないでしょうが、軍隊Aと軍隊Bがあって、Aの軍隊がワクチン接種済み、Bの軍隊がワクチン非接種であれば、勝負はついていると思われます。

経済活動に対する、接種、非接種の差が、何をもたらすかは、軍隊ほど単純ではありません。とはいえ、ワクチン接種の有無が経済活動に差が出ることは間違いありません。

恐らく、経済活動については、先行者の利益が発生するものと思われます。

このように考えると、効果のあるワクチンを最初に手に入れた国が、経済で、圧倒的に優位に立つ可能性も考えられます。

現在は、製薬会社にお金を払う予約をすれば、ワクチンが入手できるというシナリオで、各国が動いていますが、効果のあるワクチンを先に接種することに、大きな経済的価値があることが判明した時点で、ワクチンを先にもらうためには、追加料金を払う必要が出てくる可能性があります。

日本政府は、伝統的に、軍事でなくお金で問題を解決することを好む傾向があります。これは、東アジアで、日本の軍事力(軍事費)と経済力が相対的に優位であった場合には、効果のある手法でした、しかし、現在、この2つの主導権は中国が握っています。

今回は、先行者経済的利益が考えられますから、お金で買うという戦略だけでなく、自力開発をするという選択肢を伸ばさなければ、ワクチンは手には入るが、順番は後の方になる可能性があります。