レンズと撮影の方法
レンズ交換式カメラでは、カメラ単体でも、販売していますが、カメラとレンズをセットで販売することも多く、セットで販売するレンズはキットレンズと呼ばれます。デジタルカメラになってから、キットレンズには、ズームレンズが用いられています。
レンズ交換式でないカメラ、いわゆるコンデジでもズームレンズが付けられています。
固定焦点レンズがついている例外もありますが、35㎜換算28㎜が多いと思われます。
スマホのカメラも、固定焦点で、35㎜換算24㎜のレンズがついています。
フィルム時代のレンズ交換式カメラは、ズームレンズが普及する前には、50㎜のレンズがついていました。しかし、ズームレンズが普及すると、キットレンズはズームレンズになりました。
標準的な撮影方法は以下でしょう。
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ズームレンズの場合には、撮影したいが対称が画角に収まるようにズームして、シャッターを押します。
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スマホなどの広角系の固定焦点レンズの場合には、画角が広いので、対象が画角に入らないことはないので、対象にカメラを向けてシャッターを押します。
この撮影方法と50㎜固定焦点レンズの場合には、撮影方法が異なります。
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50㎜固定焦点レンズの場合には、対象に近寄るか、遠ざかって画角を調整して、シャッターを押します。
一般には、レンズによる撮影方法の違いは、このように理解されているのではないでしょうか。
ズームの問題点
ズームの問題が発生したのは、ペットの写真を撮るときです。
ペットは人間とちがってポーズをとってくれません。ズームしている間に表情が変わってしまい、撮りたいと思った表情をズームしたら撮影することができません。ですから、ズームレンズでも、ズームせずに、シャッターを押さなければ、シャッターチャンスを失います。ズームレンズで、ズームを封印するくらいなら、固定焦点レンズの方が、明るいし、画質が良くなるはずです。
こうした問題が発生するのは、主に、表情は一瞬の状態を切り取る場合です。
典型的には、この問題が発生するのは画角が85㎜相当のときです。50㎜相当でも、ある程度は表情がわかるので、ズームしない方が良い写真が撮れます。30㎜相当のときには、ペットの顔が小さく写るので、表情の違いはよく見分けられません。なので、この問題は無視できます。
ペットではありませんが、人間の場合も、自然な表情を撮影しようとすると、同じ問題に突き当たります。
つまり、常識的なズームを使った撮影方法は間違いで、ズームしたらよい写真が撮れないのです。
これは、固定焦点レンズがキットレンズであった時代には、常識でした。しかし、ズームレンズが標準になって、常識ではなくなったように思われます。
筆者はライカのファンですが、とても本物のライカを購入する財力はないのでで、パナライカで満足しています。ズームレンズに、m4/3のパナライカの換算50㎜のレンズを追加購入しました。それまでも、固定焦点レンズは明るいというので、購入したことはありますが、どこで使うべきかわからず、お蔵入りしていました。でもパナライカなら、きれいに写るのではないかと、最近、取り出して、撮影しました。最初は、ズームしないので、不便に感じました。ズームの代わりに、「対象に近寄るか、遠ざかって画角を調整」するように、書かれているテキストが多いです。筆者もこれを行い、固定焦点レンズは不便だなと感じていました。しかし、これは、建物のような近くにある静物の場合だけです。対象が動きものの場合、固定焦点レンズの使い方は、対象にカメラを向けてシャッターを押すだけす。足で調整してはいけません。ズームと同じように、表情が変わってしまいます。もちろん、画角は、調整できません。うまく、写らなかったらあきらめましょう。ズームしたら、まともな写真はとれません。このことが理解できたので、逆に、ズームレンズを使うのは、とりあえずフレームの中に対象が入っていれば、それでよしとするレベルの場合と、思っています。ズームレンズも、ズームを封印して、画角をきめて、撮影することが多くなりました。
というわけで、キットレンズにズームレンズがついていると、写真はうまくならないという話は、もっともだと思いました。
ちなみに、筆者は、10年ほど写真をとっていますが、90%は風景写真なので、今まで、このようなことが問題になることはありませんでした。動きものを撮影するようになって、まだ、1年にもなっていませんので、典型的な、初心者の誤りと思われます。