二宮金次郎像(栃木県二宮町)~つくば市とその周辺の風景写真案内(144)

二宮金次郎像(栃木県二宮町)

二宮金次郎は、江戸時代の人物では高い知名度があります。同じような殖産興業に努めた上杉鷹山と比べても知名度ははるかに高いと思われます(注1)。その知名度の差に大きく貢献した要因は、小学校にある二宮金次郎銅像にあります。

猪瀬直樹によると「昭和3・4年から約10年間、全国の小学校で二宮金次郎像を設置することが一種の流行の様相を呈した。」ようで、学校で二宮金次郎像が設置されているところは少なくありません。

しかし、最近では撤去されるケースも多いようです。主な要因は老朽化(注2)と思われますが、10ミニッツには、「歩きスマホ」を助長するので、好ましくないという理由もあげられています。確かに、薪と本を現在風に置き換えれば、本は、スマホ読書になります。薪は太陽光発電になるのでしょうか。

学校の二宮金次郎像は撤去が進む一方で、二宮金次郎像が残っていても、昔と違って、セキュリティのために、一般の人は学校に入れないので、学校を卒業してからは、二宮金次郎像をみることは少ないと思われます。

写真1は、栃木県二宮町の道の駅に設置されている二宮金次郎像です。二宮町では二宮金次郎は名士で、二宮町の町名の由来になっています(注3)。この像は、誰でも見ることができます。道の駅の設置以降ですから、比較的新しい設立になります。

写真1をみると、設置場所が小学校ではなく、道の駅だからと思いますが、小学生であれば高学年に見えます。

 

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写真1 二宮金次郎像(栃木県二宮町道の駅)

 

注1:稲羽西小学校の資料によると国定教科書に載った人物ランキングでは、1)明治天皇(191回)、2)二宮尊徳(18回)、3)上杉鷹山(15回)、4)渡辺 登(12回)、5)加藤清正(11回)、5)フランクリン(11回)となっていて、上杉鷹山よりは上位ですが、差は小さいです。

注2:ブロンズ像の場合には、耐久性が高いですが、非常に高価です。いくつかの写真を見ると小学校の二宮金次郎像はより安価な素材を使っている場合が多く、その場合には、耐久性に課題が出ます。また、太平洋戦争では、金属が不足して、強制的に回収したので、ブロンズ像であれば、回収された可能性もあります。

注3二宮町は神奈川県と千葉県(現在は船橋市の一部)にもありますが、いずれも、神社の名称が採用されたもので、二宮尊徳に由来するのは、栃木県二宮町だけです。

 

  • なぜ二宮金次郎の石像があるのでしょうか(稲羽西小学校の「なるほどシリーズ」1)

http://edu-kakamigahara.com/inanisho/data/contents/ninomiyakinzirou.pdf

  • 学校から「二宮金次郎」像が消えている理由 10ミニッツ 2018.04.11

https://10mtv.jp/pc/column/article.php?column_article_id=1679