スウェーデンは8回に達した~コロナウィルスのデータサイエンス(118)

スウェーデンの現状

スウェーデンの新規感染者が確実な減少モードに入ったようです。野球でいえば、もうすぐ出口の9回が見える8回くらいの段階です。

一方、日本は、まだ、3回くらいの段階です。今のところ、失点が少ないですが、残りの試合の展開は予断を許しません。一方、まだ、3回くらいなのに、手持ちのピッチャーを使いつくし、継投ピッチャーが不足し始めています。

試合は、9回で勝負がつきます。次の回以降にどのような展開が待っているかは、わかりませんが、展開を予測して、最適な投手の配分をしなければ、試合に勝つことはできません。

その場合のガイドラインは、費用対効果分析だと思います。今回は、費用対効果分析を復習してみます。

コロナウィルスの費用対効果分析

過去に、ToGoトラベルをすべきか否かという判断は、費用対効果分析で白黒がつくはずだと申し上げました。

これは、大概の経済学者の頭に最初に浮かぶアイデアです。

年金問題でよく言われることは、現在の制度は

高齢者:(死亡するまでに支払った年金掛け金+納税額のうち年金に充当される金額)<実際に受け取る年金額

若年者:(死亡するまでに支払った年金掛け金+納税額のうち年金に充当される金額)>実際に受け取る年金額

であって、明らかに若年層に不利であるということです。

均衡条件は次です。

(死亡するまでに支払った年金掛け金+納税額のうち年金に充当される金額)=実際に受け取る年金額

現在、均衡条件に相当する年齢は60過ぎのようです。

これは、現在の全世帯のうち年金収入による割合が50%を超えていることとも対応しています。

さて、本題はこれからです。GoToトラベルで考えた費用対便益分析を使って、最適なコロナ対策を選択する方法を検討します。この場合、将来のことは不明ですので、将来シナリオにシナリオ事に確率を考えて、計算することになります。こうした方法は、株式運用では広く行われている方法です。実務的には、コストがかかりますが、理論的な難点は少ないと思います。

さて、本題の本題がこの次です。年金の検討では、ある年代の人を対象に費用対効果分析をかけます。そして、若年と高齢者で、費用対効果が大きく違うと論ずるわけです。それでは、コロナウィルス対策では、この点をどうとるべきでしょうか。ウィルス対策で便益を得るのは第1に個人です。もちろん、コロナにかからないで、生産活動をしてもらえれば、税収が増えますので、2次的には公的な便益も生じます。一方、現在のコロナ対策は、個人の費用と、公的支出の合計になります。

次に、個人の便益を見ます。年齢によって、リスクが大きく違いますので、年齢で分けた方が良いでしょう。さらに、第1に次に分かれると思います。

  1. コロナウイルスにかからなかった人の便益

  2. コロナウイルスにかかった人の便益

    1. コロナウィルスにかかっても症状が出ずに、知らないうちに直っていた人の便益

    2. コロナウィルスにかかっても症状が出なかったが、隔離された人の便益

    3. コロナウイルスにかかって症状が出て、入院して、治癒した人の便益

    4. コロナウイルスにかかって症状が出て、入院して、死亡した人の便益

分析はここで止めておきますが、コロナウイルの費用対便益は非常に複雑な問題の典型例であることが理解していただけると思います。将来の9回終わりまでの予測は非常に困難ですが、今までの対策を、費用対便益の上にのせて評価できれば、問題点等が見えるのではないかと思います。

ただし、これらのデータは、厚生労働省しかもっていませんので、自ら分析するか、公開して経済学者の評価を仰ぐべきと思います。もちろん、公開すると、政策上の誤りは必ず指摘されます。しかしながら、航空機の墜落事故の原因分析のように、分析結果で、問題点を指摘されても、責任を問われることがないというルールを適用すれば、この問題は回避できます。これは、失敗学や、技術者倫理の共通認識になりつつある考え方です。