今回は、夕日の撮影例です。デジカメには、夕日モードがついているものもあります。デジカメの専用モードは機種によっては、保存ファイルが強制的にJpegになってしまうものも多く、その場合には、編集の自由度が下がってしまいます。なので、RAWで撮影して、後で編集する方がよいと思います。
自由度の高いスタイルファイルとLUTを使う方法は次回にして、今回はそれ以外の基礎的な方法を紹介します。
写真1が元の画像です。
写真2はホワイトバランスモジュールです。ここでは色温度を右に振っています。伝統的な夕日の撮影法は、ホワイトバランスの色温度を変更して、画像の色を暖色系にシフトさせる方法です。ここでもその方法にしたがっています。
写真3がホワイトバランスを変更した結果の画像です。写真1に比べれば、確かに夕日っぽくなっています。
写真4はカラーバランスモジュールです。このモジュールを使うと、シャドウ、中間トーン、ハイライトに分けて、カラーバランスを調整できます。ここでは、ハイライトを使って、色相をオレンジに変更し、彩度と、ファクターを上げています。
写真5がカラーバランスを変更した結果です。ここでは、ホワイトバランスを暖色系に変更した設定は温存されています。写真3と写真5を比べると、写真3が黄色く、写真5がより赤く感じられます。
写真6は、カラーバランスモジュールを使うのをやめて、カラーコントラストモジュールを使っています。
グルーンvsマゼンダはマゼンダ側に、ブルーvsイエローはイエロー側にレバーを振ってあります。
写真7がその結果です。写真5よりも黄色がかっていますが、太陽の周辺と離れたところで色合いが異なっていて、写真5よりは自然な感じがします。
写真7では、ホワイトバランスが暖色系に変更されていましたが、これをニュートラルに戻した結果が、写真8です。カラーバランスモジュールの設定は、写真7と写真8で同じです。写真8では、青色もあってより複雑な色の配置になっていますが、夕日の周辺はそれなりに、赤くなっています。こうした配色は、ホワイトバランスの変更ではできないものです。
以上を比べてみますと、夕日の赤さを表現するために、従来法のホワイトバランスの変更にこだわることはないと思われます。