国会がリモートワークスに反対する訳

コロナウィルスを受けて、国会も表向きはリモートワークスを促進するふりをしていますが、その実は、リモートワークスの阻止に必死になっています。国会自身がリモートワークスをするとどうして困るのか、考えてみます。

国会答弁の情報の流れ

テレビの国会中継などで国会の映像が流れます。この時の情報の流れを見ましょう。

事前準備

国会議員(質問票)ー>担当省庁割り当て窓口ー>担当各課(答案書)ー>

担当省庁割り当て窓口(とりまとめ)ー>国会議員(答案書)

当日

担当各課(答案書)ー>国会議員(読み上げ)ー>速記が記録

まあ、あまり正確ではないかもしれませんが、大筋ではこんなものではないでしょうか。

野党の討議等内容によっては、部分的には異なるかもしれませんが、答弁書を作成する手順は、概ねこの様なものと思われます。

これは、一昔前の霞が関の方法です。最近の状況は知らないでの間違いがあるかもしれません。

特に、最後の速記をまだ行っているのか自信がなかったのですが、2020年時点では、まだ行っているようです。

こうした情報の流れは、以前はファックスで行っていたのですが、最近では、メールか、もっとましなシステムを使っているはずです。ちなみに、IT企業で、非効率メールを使っているところは皆無だと思います。特定の関連情報だけをまとめて、双方向で処理できるシステムが多数ありますので、普通はこうしたツールを使います。ただし、効率の部分を度外視すれば、メールシステムと同じですので、メールシステムと同じとイメージしてもらってかまいません。いいたいことは、

メールシステムで情報伝達が行われるということは、コピペ+αで情報が流れるということです

このαの部分には、重複を削除する、コメントを加える、不要と思われる部分を削除するなどの加工が入ります。αとしたのは、加工は入りますが、原型をとどめないような大幅な加工はほとんどないからです。

おそらく、国会議員に行くまでは、文字コードの電子データです。

国会議員がこれを読みあげて、音声データに変換します。

討議は、音声データをとおして行われます。

音声データは速記によっていったん、紙の上に記号化され、最終的には、再度文字コードの電子データに変換されます。

IT企業でこれ(コストをかけた不要なデータ変換と逆変換)を実施したら100%つぶれます。情報は全て、「文字コードの電子データ」です。討議することもありますが、討議結果は、文字コードデータに反映され、その時点で、討議の参加者が変更と論点の間に間違いがないかチェックします。

リモートワークス国会の検討

そこで、国会でも、無駄な変換、逆変化を避けて、リモートワークスを使うことを考えます。

国会討論は、Zoom等のオンライン会議を使ってもよいのですが、その方式だと、「コストをかけた不必要なデータ変換と逆変換」から解放されないので、基本的には、文字コードをつかった電子会議にすべきです。

電子会議ですと、声で読みあげる方法より数倍の速度で、処理が可能になるので、時間切れで討議が中断になることはほぼありません。また、「善処します」といった時間稼ぎ以外には全く意味のない答弁は、文字データであれば簡単にAIで採点できますので、こうした点数を公開すれば、意味のない答弁が減るでしょう。

つまり、議論を効率化させ、時間を有効に使う上では、現在のシステムよりメリットが多いことは明らかです。

一方、書かれた原稿を読みあげるだけの議員は、存在価値がなくなるので、彼らにとってリモートワークスはなんとしても阻止しなければいけなくなります。

WEBの記事は、引用があれば、出典を示し、自分の見解や意見と区別して各ルールになっています。国会答弁も電子化された文字コードで行われるのであれば、このルールを守るべきです。上記の表現で言えば「コピペ」と「α」は区別して記載しなければなりません。この当たり前のルールを守ると、αの部分がない議員が誰かもすぐにわかります。現在は、内容がなく、はったりの答弁をする議員もいますが、こうした人は淘汰されるでしょう。

こんなわけですから、よほど優秀な議員以外は、国会リモートワークスには反対すると思われます。