Google Mobile Reportが5月19日に更新されました。5月13日までのデータが公開されました。
非常事態宣言の解除で、クリティカルな都道府県は、東京都、神奈川県、北海道であると思われますので、その3カ所を見ます。図1が3都道府県のGoogle Transitデータです。最近7日間の平均値を,maでプロットしてあります。
これをみると、連休の5月6日を底に、行動制限率は減少しています。5月10日以降は更に大きく減少しています。(57)ですでに「非常事態宣言解除は既に完了している」と申しあげました。これは、非常事態宣言が行動制限に与える効果は、データを見る限り、宣言の日や、解除の日ではなく、予告をした時点で、動き出す傾向がみられるということです。Googleデータを見る限り、既に、非常事態宣言の解除モードに移っています。5月13日のデータで、神奈川県と東京都は、4月15日頃の値まで行動制限率を戻しています。
この行動制限の戻り減少については、上記の解釈を含めて、次のような解釈が可能でしょう。
その判定は、次のGoogleデータがでれば、わかると思います。1.2.の区別はできないかもしれませんが。
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非常事態宣言の実質的な宣言が進んでいる。フライイングではあるが、非常事態宣言の解除に、行動制限が反応している。上記です。
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非常事態宣言は当初の予定の1か月しか有効でなかった。上記ににていますが、非常事態制限などの政府の指導が効かなくなっていると解釈します。例えば、閉店要請は、補償が確実でなけれは、1か月を超えると、制御できなくなる可能性があります。逆にいえば、一か月の間に廃業したり、倒産した企業にヒントがあるかもしれません。これは、後で、検討する北海道では重要です。
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3都道府県の感染者数の推移
例によって感染者数の推移とGoogle Transitデータを比較します。
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グラフは、7日間の移動平均の値です、今回から、移動平均の日付を重心から、最新の日に変えました。最近では、非常事態宣言の解除の基準に直近7日間のデータの平均を使うので、移動平均の扱いをそれにあわえました。
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Google Transit のデータは、14日後の日付にプロットしてあります。
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ma7personが感染者数の移動平均で左軸(単位:人)です。
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ma7transitがGoogleTransitの移動平均で、右軸(単位:パーセント)です。
東京都
図2の東京都の感染者数は減少傾向にあります。ただし、今後、行動制限の連休明けのリバウンドの影響が出てくる可能性があります。とはいえ、感染防止効果は、感染者に対する接触感染リスクなので、交通量が増えても、それが、感染者数の増加に直接結びつくわけではありません。図2の最近の行動制限率は4月末頃(元の日付では4月中旬)まで戻っていますが、ビニールやアクリルの仕切りが増えているなど交通量の変化に現れない感染予防効果の変化もあります。こうした努力が功を成せば、感染者数の減少は続くかもしれません。
図4が北海道の感染者数の推移です。減少傾向は、ここ1週間はゆっくりになっています。
行動制限率の連休明けのリバウンドがみられるので、今後の感染者数の減少は、5人レベルにはなっても、その先は難しいかもしれません。1週間10万人あたり0.5人は、26人/週=3.7人/日になります。
北海道は、人口が、東京都、神奈川県に比べると小さいので、1人の患者の有無が変動に与える影響が大きくなります。
3都道府県の人口当たり感染者数を図5に示します。1週間当たり、10万にあたり、0.5人を意識して、10万人当たり感染者数の7倍をプロットしました。
こうしてみると、北海道の減少速度が、緩やかなことに気づきます。
Google Transitのデータでも北海道の値は小さく、2都県とは差があるので、このデータは思ったより自治体間の比較にも使えるのかもしれません。
政府は、後だしじゃんけんの発想で、非常事態宣言の解除を急いでいるようにも見えますが、数字をみると北海道は、厳しくなってしまったようにも見えます。
北海道の非常事態宣言は2回目なので、これからは、日本全体が北海道化するのかもしれません。