宍塚大池~つくば市とその周辺の風景写真案内(45)

宍塚大池

宍塚大池は、つくば市に隣接する土浦市にあり、江戸時代からのため池の生態系が残されています。市境から1㎞くらいの距離です。

つくば市に研究学園都市が建設された理由は、水不足のため平地林が残っており、農地解放にかからなかったため、少数の山林地主が広大な土地を所有していたことも理由の一つと言われています。

この水不足問題は、土浦他15ケ町村用水が、桜川(実質霞ヶ浦)の水を台地の上に揚水することで問題が解決されるのですが、その時に、多くのため池には、桜川の水が入ります。

宍塚大池は、この時に、灌漑のルートには組み込まれませんでした。実体はよくわかりませんが、次の理由があったと推定しています。

地形が、山がちで、水面の標高が高く導水が難しかったと思われます。現在の用水は桜川の水をポンプで揚水して、水面を20mくらいまで、それから、下流に向かって流します。圧力の足りない部分は、更に2段目のポンプで揚水しているところもありますが、水路の末端に近い部分です。地理地図で見ているので、あまり、正確な値ではありませんが、宍塚大池の水面標高も20mくらいありそうです。つまり、宍塚大池に注水するには2段目の加圧ポンプが必要になります。

地形が山で、ため池の容量に比べて、水田面積が小さく、水不足にならなかったのではないかと推定しています。もうひとつの理由は、地形が、山がちで、導水が難しかったと思われます。

結果としては、古いため池が残されることになりました。ただし、多くのため池の例にもれず、堆積が進んで、浅くなりつつあります。

生態系調査のポイントではありますが、夏には写真1のようにハスの花がさきます。

 

wikiの引用


江戸時代以前から台地上の侵食された谷をせき止め築造され、周囲の水源林により貯水して、台地下に広がる水田地帯40ヘクタールを灌漑している。池の周辺には、上高津貝塚(国の史跡)、宍塚古墳群などが点在する歴史ある土地である。

ため池には多くの生物が生息し、近年生態系の保全が叫ばれる中、生物多様性という意味でも注目されており、特にここ宍塚大池では各大学や公的研究機関の研究者らが調査に訪れるなど、ため池研究の中心ともなっている。

2010年3月11日にため池百選に選定された。


 

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写真1 宍塚大池のハス

宍塚大池 wiki

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%8D%E5%A1%9A%E5%A4%A7%E6%B1%A0

NPO法人 宍塚の自然と歴史の会

https://www.kasumigaura.net/ooike/