日本のパンデミック予測~コロナウィルスのデータサイエンス(その23)

専門家会議の提言の不明点

4月1日に専門家会議の提言が出たのですが、読んでも理解できないところがあるので、列挙しておきます。

  • 第1に、いつもの繰り返しになりますが、シミュレーションやグラフの元データ、パラメータは添付すべきです。

  • 委員会:「オーバーシュート: 欧米で見られるように、爆発的な患者数の増加のことを指すが、2~3 日で累積患者数が倍増する程度のスピードが継続して認められるものを指す。」累積の増加率は時間微分にならないので、理解できません。このブログで、示しているように累積でなく日別値をつかうと変動幅が大きくなるので、代替値として累積値をつかうことはありえますが。以下にもディスかションがありました。https://togetter.com/li/1483752。「オーバーシュートは疫学用語ではないと思います。行き過ぎということで、経済分野で使われることが多いようです。あえて訳せば、(感染者)急増、感染拡大、辺りでしょうか。」http://www.med.u-toyama.ac.jp/biostat/

  • (3月30日までのデータをグラフで引用して) 「以上の状況から、我が国では、今のところ諸外国のような、オーバーシュート(爆発的患者急増 )は見られていないが、」とありますが、時定数が2週間あるので、4月中旬の予測でオーバーシュートが起こるか否かで、判断しないと手遅れになると思われますが、これでよいのでしょうか。

  • 地域区分:①「感染拡大警戒地域」、②「感染確認地域」、③「感染未確認地域」の提言があるですが、だれがいつこのマップを作成して、公表するのでしょうか。すくなくとも、2,3日中にマップがでないと、手遅れになります

以上です。