映画「パラサイト」(その2)

映画「パラサイト」を見てきました。これについては、既に、「寓話」と「暗さ」についてコメントしてています。

アカデミー賞を受賞した映画なので、それなりに、色々なところでコメントがなされており、それらをみて、気になった点を追加・修正しておきます。

社会の健全度と映画

前回は、「寓話」と「暗さ」の順にコメントしたのですが、ひとつは、このコメントの順番が適切ではないと感じました。

暗さは、社会批判になっていて、しかも、解決の糸口が見えないところに起因する訳ですが、社会批判ができることが「社会の健全度」のパラメータではないかと思われます。

コロナウィルスが連日話題になっていますが、今まで、中国の湖北省に滞在した人の入国を中止するという措置を政府が発表していましたが、これは、ナンセンスです。なぜなら、入国審査のときにパスポートを審査したとして、そこには、湖北省に滞在したという記録はありません。パスポートに記載されている事実は出入国記録だけになりますので、国内のどこに滞在したかは、自己申告を信用するだけです。これでは、リスクのある人を排除することができないのは当たり前で、「建前では、リスクパーソンは入国しないように防御しているといいながら、実質は野放しになっている」わけです。その結果は、最近見る通りです。

マスコミも、知識人も、国会議員も、このことは先刻ご承知で口をつぐんでいます。コロナウィルスには、建前は効きません。ですので、現在、コロナウィルスが蔓延している国は、実質で何が行われているかが評価されているわけす。

韓国は、日本以上に社会批判が難しい国のようです。そのために映画は「寓話」にせざるをえなかったと思われます。「寓話」がつくれるだけ、日本より健全と思われます。

日本語字幕の問題

実は、映画の字幕が、気になっていました。日本語字幕には、ところどころ違和感がありました。しかし、前回は、指摘は避けました。韓国映画はみないので、筆者には、字幕の是非を論ずる資格はないと思ったからです。しかし、アカデミー賞の受賞には、英語字幕の威力が大きかったという批評をみました。そこで、この映画をアカデミー賞の受賞作品として、評価するには英語字幕版をみるべきであると思うようになりました。これは、日本国内では難しいかもしれませんが、東京付近で探せばあるかもしれません。