フィルム時代の露光とは、ネガに記録する場合の、光量を調整することでした。これに対応するデジタルカメラの露光は、センサーがRAWファイルのデータを作成する際の光量ということになります。しかし、この定義の露光は、RAW現像ソフトウェアでは変更することはできません。ですから、RAW現像における露光は、撮影時の露光とは別ものであることを確認する必要があります。
RAW現像における露光に、RAW編集のどの機能を割り当てるかは、ソフトウェアの仕様設計の課題であって、正解があるわけではありません。露光以外の機能についても、RAW現像のソフトウェアはJpegなどの画像データの制約をうけますが、ハードの制約は受けないので、どの機能にどの名前を付けるのかという仕様の問題になります。RAW現像ソフトウェアは、市販のものや、フリーのものをあわせると、10種類以上ありますが、同じ名称の機能が、同じアルゴリズムを指しているという保証はありません。
一方、明るさの独自の定義はないと思います。 私の知る限り、Photoshop(およびgimp?)はrgb値に定数値を追加します。 これは通常、作業RGB色空間に適用され、結果は使用されるガンマエンコーディングに依存します。 線形rgb値に定数を追加すると、ガンマエンコードされたrgb値に追加された同じ定数と比較して、異なる結果が得られます。
ダークテーブルは、「明るさ」をLab Lチャンネルに適用されるガンマ補正として定義すると思います。 そのため、黒点と白点の両方が保持されます。
もっとも、新機能の紹介で述べましたようにRGBワークフローが中心になると、「露光」は最も画像を劣化させない安全な変換であるのに対して、明るさ(コントラスト、明るさ、彩度モジュール)は、RGBワークフローでは使ってはいけないものになります。
というわけで、RGBワークフローでは、露光と明るさを比べても仕方がないことになってしまうのですが、この記事はだいぶ前に途中まで作ったものなので、その点は脇に置いておきます。
実は、2020年になってからは、RGBワークフローに切り替えようかという思いが次第に、強くなってきています。でも、この話は、もう少し先にします。
さて、ここので比較検討は、
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「露光」モジュールの露光をあげて、明るさを下げる
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「コントラスト、明るさ、彩度」モジュールのの明るさを上げて、明るさをあげる
の2つの違いを試してみることです。
以下では、左が元の画像、右が修正画像になります。
サンプル1は「露光」を変えた場合です。
サンプル2は「明るさ」を変えた場合です。
確かに、「露光」より、「明るさ」の方が色の変化は小さくなっています。
サンプル3は「露光」を変えた場合です。
サンプル4は「明るさ」を変えた場合です。
サンプル5は「露光」を変えた場合です。
サンプル6は「明るさ」を変えた場合です。
サンプル5では、「明るさ」の方が屋根の周りが一段と明るくなっています。
サンプル7は「露光」を変えた場合です。
サンプル8は「明るさ」を変えた場合です。
まとめ
まとめると、「明るさ」は色の変化は少ないのですが、フィルタのせいで、部分的にむらができます。
また、全体に白っぽくなります。
なお、以下のページを参考にしました。
Exposure compensation vs. adjusting brightness
https://discuss.pixls.us/t/exposure-compensation-vs-adjusting-brightness/4613/10