トーンイコライザーはdarktable3.0で基本グループに追加されたモジュールです。
darktable2.6でもまだ、説明していない点が、あるので、3.0の追加モジュールについて、先走って説明することもないのではと思いますが、このモジュールは基本モジュールなので、説明することにします。
簡単にいえば、トーンイコライザイは、露出のレベルごとに露出補正をかけるツールと思われます。
simpleモードでは各バンドに対して、露出補正の値が設定できます。
バンドのスライダーを動かすと、マウスのポインターを使って、中央のメイン画面で、露出が調べられるようになります。次のサンプル画像では、彫像の背後の樹木が-3.6EVであることが示されています。
このようにすると、画像のどこの部分の露出を変化させたいかを指定して、露出補正をかけることができます。
結果です。左が元の画像、右が処理画像です。明るい部分を変えずに、暗い部分の露出だけがあがっています。
simpleからadvancedにモードを変えると、スプライン化関数があらわれます。simpleのバンドごとのEV値変更は、補間されて実行されています。
注意すべき点があります。画像によっては-8EVより小さな露出が含まれていることがあります。次の画像では、-11.6EVの値が示されています。この場合には、この部分の露出の変換はうまくいきません。
次の画像には、2羽の鳥が写っていますが、後方の鳥の目の周りが影になっています。鳥の目をくっきりさせた方が、印象のよい絵になるので、この点を変えてみたいと思います。目の周りは-5.7EVなので、-5EV,-6EV辺りの露出を補正すればよいいことになります。ここでは、さらに、鳥の頭の部分に描画マスクを設定して、部分的な露出補正をしてみます。
結果です。左が元の画像、右が処理画像です。円は、描画マスクです。後方の鳥の目の周辺がくっきりしました。
描画マスクを設定すると、モジュールのメニューの下方に次のようなボックスが追加されます。
マスクのメニュー構成は3.0では、2.6と一部変更されています。また、一番右の一松模様のアイコンは、新しく追加されたラスターマスクに対応しています。
トーンイコライザーは、露出の部分補正をすることのできるツールです。これは、ゾーンシステムとも深い親和性があります。マスクの作成になれれば、必要な部分を狙い撃ちして、露出補正が可能になります。