EF-M用のSigma16mm1.4 DC DNを買いました(その1)

現在使っている主なカメラは、EOS MシリーズとオリンパスのPENシリーズになります。実は、3年ほど前までは、ニコンAPS-Cカメラを主に使っていました。ところが、3年ほど前に、ニコンのカメラを海外旅行(フランス)に持っていったところ、重くて、疲れてしまい、ミラー付きカメラは無理だという判断に至りました。(ニコンのミレーレスはニコン1しかない時代です。ちなみに、カメラはミラー付きでも安くて軽い機種ですが、レンズに16f2.8-40f4.0をつけたのが重くなった原因です。)その結果、それまでは、いつか、フルサイズと思っていたのですが、それは、無理だろうという判断にもなりました。この件があるまでは、m4/3はセンサーが小さいので、購買の対象外だったのですが、考えが変わりました。ただし、風景写真が好きなので、フルサイズが広角に強い点は理解しており、この点では、迷いがあります。

そんな訳ですから、m4/3でもサイズの大きなフラグシップには全く関心がありません。ファインダーも慣れたら不用になりました。最近のカメラは、パソコンと同じ電子製品ですから、古くなると価値がなくなります。パソコンの場合の原価償却は、7年といわれます。これは、7年たつと価値が0円になるという意味です。(減価計算をして、7年で10%以下になるという意味です。)カメラの価値の目減りも似たようなものと思われます。レンズは、一昔前であれば、カメラよりも寿命が長いと思われていました。けれども、コンピュータを駆使したレンズ設計技術の向上は非常に大きく、最近では、カメラほどではないにしても、4年程度で新型モデルに更新される場合も多くあり、どんどん、性能のよい新モデルがでるので、レンズも昔のように長くは使えなくなっています。

資金がたくさんあれば、良いのですが、普通の人の場合には、資金制約を受けますので、同一の資金枠の中で、カメラとレンズの資金比率と更新の時期の決定が課題になります。更に、最近では、ミラーレスに伴うマウントの変更、S社の自動焦点の圧倒的な速さと精度の優位などもあり、混乱の極みです。一方、カメラメーカーは、依然として、カメラが資産だった時代と売り方をしていますので、需要と供給の性質がマッチしていないわけです。

プロのカメラマンは、機材が高くて、性能が高い程、素人が参入する障壁が高くなり、ビジネスは安泰になります。ですから、プロのカメラマンが、安価な機材でよいというモチベーションはありません。一方、メーカーも、プロが使っている、プロがいいと言っていることを宣伝に使っています。しかし、これは、レーサーを使って宣伝して、自動車を売っているようなものでどうかしています。

このアンマッチのままでも、生産者と消費者が共にhappyなら良いのですが、このビジネスモデルは破綻しており、カメラは消費者から無視されています。消費者はカメラマンを使った宣伝を見てもhappyではないのです。

先日20日の日曜日には、町内会の運動会があったので、今まで使ったことのない望遠ズームの性能テストをしてみました。そのときに、周辺のカメラを見たら、自分を除けばスマホでないカメラは1台だけ、それも、動画専用の機種でした。

コンデジからは、ほとんどのメーカーが撤退してしまいました。カメラのマウントも2つか3つしか残らないような気がします。そうなりますと、消滅するマウントには残りたくないという消費者心理が働きます。どれが残るか、これも悩ましい問題です。今は、Eマウントに勢いがあり、シグマなどのレンズメーカーも、Lマウント、Eマウント共用レンズを設定して、マウントを変えて売っています。しかし、Eマウントは、フルサイズセンサー用の他のミラーレスマウントより、マウント径が小さいのです。いままで、フルサイズのミラーレスはEマウントしかなかったのでシグマ社はEマウント対応をしてきました。しかし、Canonニコンもフルサイズミレーレスに参入し、それらのマウント径はEマウントより大きいのです。シグマ社がEマウントの縛りを続け4マウント共通設計にするか、Eマウントだけは外して、3マウント共通設計にするかは、不透明だと思います。

カメラが売れなくなったといいますが、それは、一番売れていた時期と比較しているからで、2000年頃と比べれば、そんなに、落ち込んではいません。それまで、カメラは、10年に1回買う程度の商品だったのが、急速な性能向上とそれに伴う価格低下があったため、買い替え需要が増えたのではないかと思われます。現在は、買い替え需要はなくなり、それに、スマホの性能向上と写真の楽しみ方のサービスの変化が追い打ちをかけていると思います。この辺は、ファクトに基づいた分析を行うべきなのですが、そのようなレポートを見たことがありません。つまり、雰囲気でマーケティングをしているということで、日本企業の体質の大問題だと思います。

最近のカメラは暗所性能があがり、暗いところでも、ストロボをたかずに、写真をとれます。現在の課題は、ノイズをどこまで減らすかにかかっていて、それも、急速に改善されているようです。しかしながら、暗くて、肉眼では、何かがあることしかわからないような状態でも、最近のカメラを向けて、シャッターをきるとそこにあるものが昼間のように明るく写っています。これは、カメラが事実を切りとるというイメージからすると、異様な感じをうけます。ここまで、普通の消費者が期待しているとは思えないのです。暗ければ、写らないのが当たり前ではないでしょうか。こんなことをしていると知らない人が見たら、あの人は危ない人ではないかと勘違いされそうです。

さて、来月、2年ぶりにまた、海外旅行に行く予定です。行先は、前回にカメラの重さに負けたフランスです。ニコンAPS-Cカメラはまだ手元にあります。前回の撮った写真に大きな不満はありません。でも、これは、避けたい重さです。そのほかに、手元には、m4/3とEOS_Mがあります。m4/3は前回の重さショックの後で、試しに購入したものです。PENは使いやすいのですが、恐ろしいことに、EOS_MとPENのボディサイズはほぼ同じです。ですので、荷物の重量としてみたときに、m4/3の長所が生きないのです。旅行では広角側の写真が必須と思っています。キットレンズには28mm換算始まりのものが多かったのですが、28mmでは、不足することがあり、できれば、より広角が欲しいのです。ニコンAPSーCカメラは、換算24mm(16mmf2.8-)始まりでしたので、画角としては良かったのです。m4/3では、換算24mmからはパナソニックのキットレンズだけしかてもとにありません。EOS_Mでは、キットレンズが換算24mm(15mm)始まりですし、広角ズームももっています。大きさ、センサーサイズ、持っているレンズから、EOS_Mに持っていくカメラを決めました。EOS_MのEF-Mレンズは、安価で、しかも、価格の割には性能がよいとの評価です。この辺は、Canonさんのマーケティングのたまものです。一方、m4/3のように、尖った単焦点レンズはありませんでした。(正確には最近換算50mmf1.4が初めてでました。)一応よく写るが、それ以上ではないといいった感じです。だいぶ考えたのですが、10月18日に、シグマがミラーレスのレンズのマウント対応を拡充する形で、EF-M用の16mm f1.4をだすので、これを使ってみようということになりました。なお、16mmはCanonAPS-Cでは、換算25.6mmとなり、24mmと28mmのちょうど真ん中の画角になります。自分の好みとしてはちょっと、標準よりなのですが、許容範囲と考えました。

今日は、カメラ屋さんで、レンズを購入して、EOS_M3につけて、シャッターをきってみました。(kiss Mも持っていますが、RAWがCR3になるので、最近は、M3をよく使っています。darktableがCR3に対応するのを待っています。)自動焦点、シャッターの感覚は、純正レンズと違和感はありませんでした。ただし、今日は曇っていたので、色乗りが悪く、この点は、晴天日に試した結果を報告したいと思います。

16mmのレンズ直径が、マウント径よりおおきいため、M3につけて、平らなところにおくと、レンズが上をむいた状態になります。長さは、便利ズームを除けば最長です。どうして、長くなったのかと思い、レンズを除くと丸い球が見えます。広角レンズは出目でフィルターを付けられないものが多いのですが、(これは、そこまで出目ではないと思いますが)フィルターをつけられるように、若干、筒を伸ばしたのかしらと思いました。覚悟はしていましたが、重さ、サイズは、カメラの重さ、大きさからして、許容できるほぼ最大限と感じられました。

(この記事は10月24日に書いたものです。)